アメリカでは近年、ゴーストガンと呼ばれる追跡不可能な銃による犯罪が増え、問題になっています。バイデン大統領が規制に向けて、新たな発表を行いました。
8日金曜日、ニューヨーク市ブロンクスで16歳の女子高校生が学校近くで流れ弾にあたって死亡。逮捕されたのは17歳の少年で、犯行にはゴーストガンが使われました。
ゴーストガンとは、インターネットなどで簡単に買える部品を組み立てて作る銃のことで、3Dプリンターで作られた部品も多くあります。ゴーストガンは、部品で作られていることから、一般の銃に義務付けられている製造番号がなく、購入する際の身元調査も不要なため、犯罪に使われても捜査当局の追跡が極めて難しいことが問題となっています。ニューヨーク市だけでも、今年に入って131丁のゴーストガンが押収されています。これは去年の同じ時期に比べて351%の増加です。
そうした中、11日月曜日、バイデン大統領はホワイトハウスで会見を行い、ゴーストガンについて他の銃と同様の規制を課すことを発表しました。バイデン大統領は「組み立て式の椅子が椅子であるように、組み立て式の銃を買えばそれが銃であることに変わりない。」と語りました。バイデン大統領は、今後はゴーストガンを作る銃の部品キットについても、追跡できる製造番号と販売する小売業者に客の身元調査を義務付けるとしています。 バイデン大統領は「凶悪犯罪者、テロリスト、DV加害者が30分で銃を組み立てることができる。警察が危機感を高め市民が犠牲になっている。規制を実行する。」と語りました。
また、この規制では、転売されるゴーストガンについても販売元が製造番号をつけることを義務付けられることになります。NRA全米ライフル協会はこの規制について『極端』だとして反対する意向を示していますが、バイデン政権は夏にも施行できるとしています。