ニューヨーク、マンハッタンの築98年の 駐車場ビルが崩落し、8人の死傷者を出した事故で、崩落する瞬間をとらえたビル内部の映像が公開されました。
映像では、爆発のような音とともに崩落した駐車場内部の様子が捉えられています。近隣住民は「地震のようだった。」と語りました。18日火曜日、駐車場として使われていた4階建の建物が突如崩落し、1人が死亡、7人がけがをしました。かけつけた消防隊は建物が再び崩れる危険があるとして、ロボット犬やドローンを使って救助活動を行いました。事故から行方不明になっていた駐車場のマネージャーは、19日水曜日にがれきの中から発見され、死亡が確認されました。けがをした7人のうち1人は2階部分から1階に落ちましたが、命に別状はないということです。目撃者は「爆発音が聞こえた。みんな恐怖だった。これでおしまいだと思った。」と語りました。
ニューヨーク市の建造物担当局によると、この立体駐車場は1976年から64件の違反が指摘されており、2003年にはコンクリートの壁にヒビが入っているのが指摘されています。しかし、いずれも是正完了証明書は出されていませんでした。事故当時、屋上部分には50台近くの車が駐車されていたということで、マンハッタン地区検察局が捜査に乗り出しています。事故現場では、19日水曜日も重機で1台ずつ潰れた車の撤去作業が行われていました。市の建築違反 取締担当者によると、この建物は築98年で60年以上駐車場として使われていたということです。
建物が不安定な上、つぶれた車のタンクに入っているガソリンや電気自動車のバッテリーなどが爆発する危険もあり、車やがれきの撤去作業は慎重に行われています。マンハッタンには、こうした古いビルを駐車場に使っている建物をよく見かけます。事故原因の究明と安全対策が急がれます。