新型コロナウイルスのニュースです。連邦地裁の判断で公共交通機関でのマスク着用の義務が無効となり、各航空会社などが国内線でのマスク着用義務を撤廃しました。しかし、これを不服として司法省が上訴、マスク着用を巡る混乱が広がっています。
18日月曜日、フロリダ州の連邦地裁は、CDC疾病対策センターによる共交通機関でのマスク着用の義務付けについて、CDCの権限を越えているとし、無効とする判断を下しました。空港利用客は「みんなマスクには疲れているので、良い判断だと思います。」と語りました。先週、CDCは交通機関でのマスク着用義務を来月3日まで延長すると発表していましたが、今回の判断を受けて、TSA運輸保安局は公共交通機関でのマスク着用を義務付けないとしました。
これを受けて、各航空会社は、国内線でのマスク着用義務を撤廃しました。機内アナウンスでパイロットが「スタッフも乗客もマスクは任意です。」と言うと機内では拍手がおこりました。ワクチン接種対象の年齢よりもの幼い子供と一緒に国内線を利用していた母親は、パイロットのこうしたアナウンスを聞いて不安になったといいます。「パイロットが喜ぶのはとがめません。でも、違う立場の乗客がいることも考えて発言してほしかったです。」と語りました。
全米鉄道旅客公社・アムトラック、配車サービス大手のウーバー・テクノロジーズとリフトもマスク着用義務の撤廃をしています。しかし、ニューヨーク市では、公共交通機関でのマスク着用義務が引き続き続けられます。また、ニューヨーク市のブロードウェーでは、ほとんどの劇場が観客のワクチン接種証明の提示を今月末までで終了するとしています。しかし、劇場内でのマスク着用は少なくとも来月末まで続けるということです。
アメリカでの新規感染者数は、先週1週間で23%増加しています。ボストン小児病院 ジョン・ブラウンスティン医師は「旅客機などの公共交通機関でマスクを着けないのは心配です。感染が広がり、入院患者・死亡者が増加する可能性もあります。」と語りました。
そうした中、20日水曜日、CDC疾病対策センターは、公共交通機関でのマスク着用は公衆衛生のために必要だと結論付けました。これを受け、司法省は、フロリダ州の連邦地裁がマスク着用義務を無効とした判断を不服として上訴しました。
司法省が上訴しましたが、その判断が出るまではフロリダ州連邦地裁が下した判断が有効となり、公共交通機関でのマスク着用は義務付けられません。また、国際線の旅客機内でのマスク着用義務については、行き先の国の決まりに従うことになるということです。