女性看守が殺人未遂などの罪で服役中の男を連れて刑務所を出たきり、行方が分からなくなっています。2人は恋愛関係にあったと見られ、警察は女性看守と男の逮捕状を取り、全米に指名手配しています。
指名手配されているのは、アラバマ州、ローダーデール郡の刑務所に勤務していたビッキー・ホワイト看守56歳と殺人未遂などの罪で服役していたケーシー・ホワイト受刑者38歳です。2人に親族関係はありません。ローダーデール郡警察は「彼女が手伝ったことは間違いありません。本人の意思だったのか、または脅迫され、強要されたのかはまだわかりません。」と会見で語りました。
2人が行方不明になったのは、先月29日金曜日です。ホワイト看守は、裁判所で精神鑑定があるとしてホワイト受刑者を刑務所からパトカーで連れ出しました。しかし、その8分後、パトカーが裁判所とは逆の方向に向かう様子が、防犯カメラの映像に捕らえられています。パトカーはショッピングセンターの駐車場に乗り捨てられていました。当局が2人の行方が分からなくなっていることに気づいたのは、2人が刑務所を出て6時間近くが経ってからのことでした。
ABCニュース記者の「2人は恋愛関係にあったと思いますか?」という質問に、ローダーデール郡警察は「そう思ういますが、肉体関係はないと思います。」と答えました。
ホワイト看守は17年 務めるベテランで、他の看守を監督する立場にありました。ホワイト受刑者は殺人未遂などの罪で懲役75年を服役中で、別の殺人罪でも起訴されています。2人が初めて会ったのは、2020年にホワイト看守がいた刑務所にホワイト受刑者が移動してきたときだと見られています。ローダーデール郡警察は「他の受刑者によると、ホワイト受刑者は食事を多くもらうなど特別扱いされていました。」と語りました。ホワイト看守は、行方不明になった日を最後に退職することになっていました。また、自宅を先月18日に売却しており、現在は母親の家で同居していたということです。ビッキー・ホワイト看守の母親は「スピード違反で捕まったこともないと思います。常に良い子でした。ショックを受けています。」と語りました。
ホワイト受刑者の元交際相手で、殺人未遂事件の被害者の女性はABCニュースのインタビューに電話で応じ、「家に来て私を殺そうとしたんです。」と語りました。「ビッキー・ホワイト看守に伝えたいことはありますか?」という質問に「看守の女性がまだ生きているか分かりません。ホワイト受刑者は彼女を利用し、捨てるつもりだと思います。もし彼女がまだ生きているなら、とにかく逃げて、彼女や他の誰かが命を落とす前に出頭してほしいです。」 と答えました。
捜査当局は逃走に使われているとみられるオレンジ色の車の写真を公開していますが、すでに乗り捨てている可能性もあるということです。また、2人はライフル銃や拳銃、そしてショットガンを持っている可能性があるとしています。 捜査当局は、ケーシー・ホワイト受刑者は、身長が6フィート9インチで2メートルを超えます。目立つことから、捜査当局は目撃情報を求めると同時に武装している可能性が高いため、見つけても接触などはしないよう注意を促しています。