子どもの急性肝炎が増加しており、CDC疾病対策センターが改めて警鐘を鳴らしています。
WHO世界保健機関はこれまでに、少なくとも21カ国で原因不明の急性肝炎とみられる348人の患者が報告されたとして調査しています。ボストン小児病院 ジョン・ブラウンスティン医師は「この急性肝炎で懸念されるのは 子供たちが健康だったということです。」と語りました。アメリカでは、27州で少なくとも109人の子供に急性肝炎が確認され、5人が死亡しました。
去年の秋に双子を出産した母親は、生後3週間で双子の1人に黄疸の症状がでたといいます。母親は「突然、肌が少し黄色くなって、 翌日には濃くなっていました。 目の色も変わりました。」と語りました。この赤ちゃんは、肝炎で肝不全となり、急遽、肝臓の移植手術を受けました。肝炎の原因は不明だということです。Mヘルスフェアビュー小児病院の肝移植を担当した医師は「なぜが急に悪化したのか分かりませんし、原因もまだ分かっていません。」と語りました。
調査によると、子供の急性肝炎には特定の場所や食べ物、動物、渡航、毒物に関連性がないということです。また、保健当局によると、呼吸器感染症や消化器感染症など風邪のような症状を引き起すアデノウイルスに、患者の70%が感染していたということです。
CDC疾病対策センターは保護者に向け、子供に肝炎とみられる症状がないか確認するよう、改めて呼びかけています。マサチューセッツ総合病院の救急医療科副部長は「肌や白目が黄色い、尿の色が濃い場合は肝臓の病気である可能性が高いです。」と語りました。
専門家は、急性肝炎を発症した子供の平均的な年齢は2歳で、ワクチン接種の 対象外であることから、新型コロナウイルスのワクチンは関係ないとしています。一方で、急性肝炎を発症した子供に、新型コロナウイルスの感染歴があるかどうかの調査が進められています。
CDCは、子供の発熱、倦怠感、吐き気、肌や白眼が黄色くなる黄疸に注意すること、また、生後間もなくから2歳までに受けることが推奨されている肝炎のワクチンを受けているかを確認するよう、保護者に呼びかけています。