アメリカでは新型コロナウイルスの感染者が急増していてます。21の州では感染による入院患者が増えていて、専門家は危機感を強めています。
きのう、国立アレルギー・感染症研究所のファウチ所長は、議会下院の公聴会で新型コロナウイルスの感染状況について警戒を促し、「医療施設が対応できるかここ2~3週間が非常に重要になります。フロリダ州、テキサス州、アリゾナ州などでは感染者が急増しています。」と語りました。アメリカでは21の州で感染による入院患者が増加、23の州で感染者が増えています。ファウチ所長は感染経路が不明な場合が増えていることを懸念しています。
テキサス州ではきのう、一日の感染者がおよそ5500人で過去最多となりました。病床不足を補うため小児病院でも、成人患者を受け入れています。こうした事態を受け、テキサス州知事は住民に外出を控えるように呼び掛けました。
感染が増加しているアリゾナ州では、トランプ大統領の支持者集会が行われ、数千が集まりましたが、ほとんどの人がソーシャルディスタンシングを守らず、マスクの着用もしていませんでした。参加者は「もし本人が必要ないと思うなら、マスク着用を強制するべきでないと思います。」とマスク着用の意思がないと取材に答えました。トランプ大統領は「よくやっている。 感染はなくなる」と参加者に語りました。一方で、アリゾナ州で感染患者の治療に当たっている医師は、連日入院患者が急増しているといい、この時期の集会は危険だと話しています。ファウチ所長も、公聴会でこうした集会に否定的な見解を示し、「集会は避けて人との距離を保つべきです。もし集会に行くなら、マスクを着用してください。まず第一に人混みに行かないこと。どうしても行くならマスクを必ず着用すること。」と語りました。州をまたいだ感染も広がっています。
サウスカロライナ州のマートルビーチを訪れたオハイオ州の学生14人が感染、またウエストバージニア州からの旅行者30人も帰宅後に感染が確認されています。