アメリカでは新型コロナウイルスの新規感染者数が過去最多を更新し、半数以上の州で感染が拡大しています。
感染拡大が続くテキサス州では、24日の入院患者数が4300人を超え、メモリアルデーから190%上昇しています。きのうは6000人近くの新規感染者が確認され、アボット知事は経済活動再開の次の段階に向けた動きを一時停止すると発表しました。州民の命と生活を守るための決定だとするアボット知事は、「最も望んでいないのは逆戻りして経済を閉鎖することだ」として州のロックダウンについては否定しています。
テキサス州を含む5つの州では感染による入院者数がこれまでで最多となっていて、現在感染者数が増加している州は29州に上ります。2日連続で5000人以上の新規感染者が確認されているフロリダ州のデサンティス知事も経済活動の次の段階に進む時期についての言及を控えています。
全米の1日の新規感染者数は3万9000人近くとこれまでで最多を更新していますが、CDC・米疾病対策センターは実際の感染者数は報告されている数の10倍にあたる可能性があると警告しています。CDCの調査ではアメリカに住む2000万人がこれまでにウイルスに感染していると推定していて、これは人口のおよそ6%にあたります。また、90%以上の人がいまだに感染しやすい状況にあるといいます。感染した人の多くは無症状だと考えられていますが、人に感染させる可能性があることからマスクの着用が強く求められています。
ABCニュースなどの調査では、先週、外出の際にマクスを着用したと答えた人は89%と、4月初めの55%から大幅に上昇しています。一方、州や自治体によってはマスク着用の義務化に反発の声も多く、感染拡大が続く地域でも抗議活動が行われています。
現在、18の州で、少なくともビジネスの場ではマスクを着用するよう求めています。もし、ほぼ全ての人がマスクを着用すれば、10月1日までに3万3000人の命が救われる可能性があるとの試算も出ていて、フロリダ州マイアミでは、公共の場でマスクをしない場合、500ドルの罰金を科すことを決めるなど、独自に厳しい態度で臨む自治体も出ています。