アメリカでは新型コロナウイルスの新規感染者数が今月に入ってからだけで35万人に上り、感染拡大に歯止めがかかりません。そんな中、トランプ大統領は学校再開について語りました。
アメリカでは、これまでの感染者数が300万人に迫り、28の州で感染による入院患者数が増加しています。カリフォルニア州に住む家族は、一家で5人の感染が確認され、孫を抱える女性は感染が確認された3日後に亡くなっています。アリゾナ州フェニックスにある、消防署では50%が感染に関する通報だといいます。通報した男性は、頭痛が続き感染の可能性を訴えています。同居の女性は「心配です。 みんな一緒に住んでいますから、赤ちゃんもいますし。」と語りました。この地域では、大家族が一緒に暮らす習慣があり、この家族も3世代が同居していて、家族内での感染が懸念されています。テキサス州では、1日の新規感染者数が1万人となり、アメリカ軍が看護師と呼吸器専門医をサンアントニオに派遣しています。フロリダ州では1日の新規感染者数が7300人以上となり、州は看護師100人を感染が拡大するマイアミ・デイド郡にある病院に送り込みました。マイアミ・デイド郡では人工呼吸器の使用率が127%に達しています。州内の50以上の病院で集中治療室の病床が全て埋まっているということです。
一方、世界保健機関(WHO)は咳やくしゃみ、または会話による飛沫感染が主な感染経路としていましが、空気感染の可能性を精査していることを明らかにしました。32カ国の科学者239人が共同で、飛沫より小さな粒による空気感染の可能性を指摘しており、WHOが推奨する対応策の改定を求めていました。科学者らは、エアゾルと呼ばれる微粒子とともに空気に浮遊するウイルスが循環することでより遠くへと移動し最大16時間、空気中に生存すると主張しています。バージニア工科大学のエアゾルの専門家は「屋内環境では問題になります。換気のわるい部屋ではウイルスが広がります。人が多い場合は要注意です。」と語りました。
こうした中、フロリダ州では8月から学校を再開し、全生徒が週5日登校する予定です。トランプ大統領は全米での学校再開を強く後押しし、知事らに学校を再開するよう強く働きかけます。みんな学校を再開させたいと思っています。母親も父親も子供も。」と語りました。生徒や教師の安全をどう確保するのかは、各州にゆだねられています。
夏休み明けの学校のあり方が議論される中、留学生に関連するニュースが入ってきています。ハーバード大学を含め全米のおよそ8%の大学が次の学期を全てオンラインで行う決定をする一方で、アイス:移民・税関捜査局は、全ての授業をオンラインで行う大学に在学する(F-1,またはM-1ビザを保有する)留学生について、アメリカへの入国は許可しないとしており、すでにアメリカにいる場合は出国して自分の国からオンライン授業を受ける、または通常の授業も行なう学校に転校するなどしなければ国外退去もありうるとしています。突然の事態に大学側も困惑しているということです。