トランプ大統領のウクライナ疑惑をめぐる弾劾裁判の本格審理が今週から始まりました。ホワイトハウスは、民主党側の追求に対抗すべく、大物弁護士を起用し、強力な弁護団を組んでいます。
トランプ氏の弁護団チームに加わったのは、クリントン元大統領の弾劾裁判の元になった不倫疑惑の捜査で特別検察官を務めた、ケン・スター氏。そして、ハーバード・ロースクールの教授、アラン・ダーショウィッツ氏です。2人はこれまでもたびたびFOXニュースに出演し、トランプ氏寄りの発言をしていました。
2人はともに剛腕弁護士としてその名を知られています。去年少女たちに対する人身売買でニューヨークで起訴され留置場で自殺した富豪、ジェフリー・エプスタイン被告が、10年前に同じ罪で起訴された際にも2人が被告側の弁護士として交渉し、本来なら終身刑とも噂された量刑を2年足らずまで引き下げました。ダーショウィッツ氏については、元NFL選手で殺人罪に問われたO•J•シンプソン被告(当時)の裁判で弁護団の一員を務めました。この裁判は、状況証拠などからシンプソン被告が圧倒的に不利とされていたにも関わらず無罪を勝ち取ったことで、"世紀の裁判"と言われています。
ただ、ダーショウィッツ氏がメディアのインタビューで行った発言からは、今回のトランプ氏弾劾には批判的な反面、「弾劾裁判では私は1時間程度陳述をするだけだ。弁護団で主要な働きをするわけではない」などと、一定の距離を置く様子も目立ちました。スター氏については、トランプ氏自身が20年前「ケン・スターは狂っている、最悪だ」などとテレビ番組で話していました。2人は、大統領法律顧問のシポローニ氏と、トランプ氏の個人弁護士のセクロー氏とともに弾劾裁判で守りを固めますが、メンバーが一枚岩ではない様子も垣間見えます。