アメリカでは、先週末、ヘイトクライムとみられる銃乱射事件が立て続けに起きました。北東部ニューヨーク州で13人が死傷する銃乱射事件が起き、18歳の白人男性が逮捕されました。被害者のほとんどは黒人でした。
14日土曜日、ニューヨーク州北部バファローの黒人が多く住む地域にあるスーパーマーケットで銃乱射事件が起き、10人が死亡、3人が負傷しました。被害者は13人の内、11人が黒人でした。警察はペイトン・ジェンドロン18歳を逮捕し、第1級殺人の罪で起訴しました。FBI連邦捜査局もヘイトクライムとして捜査を行っています。バファロー警察は「被告はここから車で移動し、さらに黒人を銃撃する計画を立てていました。」と語りました。
被告がソーシャルメディアに投稿したとみられる589ページの文書によると、被告は数カ月にわたり計画を立てており、事件のあったスーパーマーケットで3月に下見し、このとき警備員から質問を受けたということです。文書には、スーパーマーケット内の通路と素早く移動する方法を書いた図も含まれていました。そして、このスーパーマーケットは1つめの標的で、次に通りを歩く黒人を、さらに他の店でも銃を乱射する計画だったということです。
捜査当局は、589ページの文書とは別に、被告が180ページにわたる襲撃の計画をオンラインに投稿していたとみています。投稿された文書には、白人至上主義者の間で広まっている「他の人種により、白人が 取って代わられる」という思想への執着が見られたということです。ニューヨーク州のホークル知事は「世界中のソーシャルメディアが思想を助長しており、若者は過激化し、黒人やユダヤ人や移民から白人の立場を守らなければと思い込んでいます。」と語りました。
去年、被告が高校を卒業する前に卒業後の計画を書く課題が出された際、被告は、人を殺して自分も死ぬことについて書いたということです。このとき高校は、警察に通報しました。それについてバファロー警察は「精神鑑定が行われ、その後、戻されました。」と語りました。捜査は行われたものの、起訴はされなかったため、記録に残りませんでした。高校の元同級生は、被告についてもの静かな生徒だったと語っています。同級生は「新型コロナの流行で学校に来なくなりました。1回だけ防護服のようなものを着てきました。」「みんなが見ていました。」と語りました。
被告が事件で使用したとみられる半自動小銃は、数カ月前にニューヨーク州の銃専門店で購入されたもので、店主は、法に則り被告の身元調査をした上で、銃を販売したとしています。