舞台芸術評論家、プロデューサー、タレント。「STOMP」,「RENT」の日本公演に携わる。コメンテーターとしてテレビやラジオにも活動の場を拡大。トークショー「トシ・カプのブロードウェイ言いたい放題」は、内容の濃さと面白さで好評を博す。NYのジャーナリストや演劇評論家130名で構成されるドラマ・デスク賞の審査員を務めている。ワハハ本舗所属。
連日連夜の
観劇&ショーのリハに
明け暮れておりましたここ数週間・・
別に・・
セントラル・パークで
月見の宴や
紅葉狩りに
うつつを抜かしていた
と言う訳じゃなくってよ!
さて、新作芝居が続々と開幕した先週。
ガツンと脳天をぶっ叩かれたような
刺激的な作品に遭遇したぜー!
それが
「The Curious Incident of the Dog in the Night-Time」
邦題『夜中に犬に起こった奇妙な事件』
原作は、マーク・ハッドンの世界的ベストセラー小説
1000万部越えとか...
.
本作は、2012年、英国ナショナル・シアターで舞台化
昨年のイギリス版トニー賞と言われる、
ローレンス・オリヴィエ賞で一人勝ち!
日本では一足お先に、
ジャニーズV6の森田剛さま主演で上演されたんだとか!
また、出演者のひとり、入江雅人さまが
ツイッターで呟いた【観客の咳に対する苦言!】が
炎上したことは記憶に新しいよね。
では、主人公の紹介から
15歳の少年クリストファーは
数学は天才的に優れているが、
一般社会に適応できないアスペルガ―症候群。
並外れた知性とは裏腹に、
自分以外のヒトとのコミュニケーションに、
尋常でないストレスを感じてしまう。
肉親である両親でさえ、
カラダに触られるとパニックになり叫び暴れ、
他人と空間を共有する交通機関、トイレなども使えない。
ストーリーを・・・
ある日の夜、クリストファーは
隣人の庭で殺害された犬を発見。
犯人を捜しの調査を開始する。
父親と二人暮らしの彼は
父親の部屋も捜索。
ソコで発見した物は、
死んだと聞かされていた母が
彼に宛てた大量の手紙。
そこから様々な事実が発覚。
クリストファーは母の元へ行くのだが・・・・
主演は,無名の俳優、アレックス・シャープ
なんてったって、今年4月、
あの名門ジュリアード音楽院を
卒業したばかりの新人さん。
それで、いきなりこんな話題作でしかも主役で
ブロードウェイ・デビュー・・・・
運も実力のうちだけど、それにしても運が良過ぎじゃー!
.
しかし、有名無名に関わらず実力が認められ、主役に抜擢。
スターも夢じゃないブロードウェイ演劇界ってステキ!
日本の演劇界もいつかは・・・・???
ねぇ、小栗旬さん!
見どころは・・・
その1、舞台装置
劇場に入るなり目に飛び込んで来るのは、
ガラーンとしたステージの回りを取り囲む
オセロ版のようなマス目を配した、黒いセット。
芝居が始まると・・・・ そのセットに様々な映像を投影することで
クリストファー少年の頭の中で イメージされていることを浮かび上がらせるのさ。
深い観察眼を持ちつつも、
それを他人に饒舌に伝える術を知らない彼だからこそ、
この四方の壁に映し出される鮮烈な映像で、
観客は図らずも彼の内面に引きずりこまれてしまうのさー
その2、振付
装置や小道具がなくとも
地下鉄やバスの中の人を
見事に振り付けた動きは必見!
舞台上の俳優さんたちだけでなく、
裏方さんらもツワモノぞろい
みなさん、抜群のセンスを持つクリエイターばかり。
その3、演出
演出家はマリアンヌ・エリオット
大ヒット作「戦火の馬」で
トニー賞最優秀演出賞に輝いたお方。
この方の創造力は尋常じゃありまへん!
かさばる舞台装置や
小道具を極限までそぎ落として、
投影される動画と音とライティング、
そして役者さんたちの肉体を駆使して
内向的で鋭敏な子供の視点から見た
世界を見せてくれるのさ!
それにより、観ている側は、
まるで主人公になったような錯覚に陥る。
五臓六腑に染み渡る演出ってのかぁ???
こんな方に、
東京オリンピック開会式の
演出を手掛けて欲しいぞ!
ハッピーエンディングのベタな終わり方に
ちと不満もなきにしもあらずだが、
21世紀のハイテクを駆使した刺激満載の芝居!
斬新な演出は、私たちを舞台上の未知なる可能性に
誘ってくれる。
.
.
グイグイ来ます!
.
.
今さらながら、本作の演出をした彼女の「戦火の馬」を
観劇出来なかったことを悔むぜー!
日本から観劇目的でNYにいらっしゃる
演劇ファンには特にお薦めの1本よー!
あーそれと文化の栄養失調の方にも是非!
by アイラブさわやかくん、ノンケボーイの店より
トニー賞作品賞ノミネートも間違いなし、お見逃しなく!
日本ではすでにV6の森田剛様が
主人公を演じているけれど
もし、再演するとしたら・・・・ 主演には
織田 信成様
あのピュアな万年少年の泣きじゃくりを活かす時が来たぞよホトトギス。
氷上から演劇舞台へ華麗にジャーンプを決めてちょ!
トシカプ評:★★★★
ブロードウェイってミュージカルって、楽しいだけでなく、
人生訓がいっぱい詰まった 素晴らしいもんなんですね。
Ethel Barrymore Theatre
243 West 47th Street New York, New York 10036
一週間ご無沙汰ですゥー♪
(昭和の名司会者、玉置宏さん風味)
一昨日の10月10日、
第10回目の私の歌謡シャンソンショーは無事終了しました。
お蔭様で、またしても満員御礼!
毎度のことながら、直前までお客様どれくらい 来て頂けるのか?
とーっても心配しちゃうのです。
もー円形脱毛症になっちゃいそう
(って元々お毛々は無かったんだわねー・・・てへ)
ふたを開けてみたらば、アラマァ
またしても満員御礼達成しちゃったよーん。
ホーッとしたー。
ひとえに、応援してくださる皆様のお陰です。
心からお礼を申し上げます。(ペコリン)
今回のショーの新ネタ新曲・・・
プレッシャー大きゅうございました。
毎回毎度、爆発的進化を見て頂かなければ、
と踏ん張ってる時って、
とても大変だけれど、
同時にとても幸せな事だとも思います。
人生も後半戦に入ってくると、
なかなか自分の伸び代を
精一杯拡げるために、
全力でチャレンジする事なんか
少なくなってくるじゃーないすかー!?
でも、これでいいだろう・・なんてのは、絶対ナシ!
前回よりは今回、
今回よりは次回に向けて、
階段を三段飛ばしくらいの勢いで
駆け上がっていく所存です。
なので、これからも末永くよろしくネ。
公演後、お客様から、いろいろ暖かいお言葉を頂戴しました・・・。
『悲劇ミュージカルのワンカットみたいな女優の歌が最高でした。』
『時間が全然足りなーい。もっと歌もトークも聴いていたーい』
『元気もらいました』
なーんて、台風並みの自画自賛の嵐が 吹き荒れちょりま〜す♡♡♡
たまにはいいでShowーユルシテーン
皆たまぁー、次回のショーは11月11日
11回目の若き血のイレブン興業と相成りましたーッ(ッテ、ナントコトヤラ・・・)
チケットのご予約はお早めに。
より一層パワフルにドラマチックなショーをお約束致します。
いやぁ、カプチーノって美味しいだけじゃなくって、
人生訓からシモネッタまでギュっとつまった、
ドえりゃーエンターテナーだったんですねぇ~。
なんてねなんてね・・・
第11回歌謡シャンソンショー
「夜はまだまだドラマティック:アイラブさわやかくん、ノンケボーイの店」。
NYのディープなオトナの夜のお楽しみ満載♨
日時:11月11日(火)
時間:午後9時30分開演 (開場午後9時)
料金:カバーチャージ15ドル(2ドリンク代が別途必要)
場所:The DUPLEX CABARET THEATRE
住所:61 Christopher St, Manhattan, NY 10014
予約:電話 (212) 255-5438
オンライン:http://www.theduplex.com/~thedup/webcalendar/view_entry.php?id=8826&date=20141111
協賛:IACE TRAVEL USA様
まずは僭越ながらワタクシの近況をば・・・。
♪ついに10回目となる、
来る10月10日のショーに向けて
毎日ドラマチックに、リハに準備に全力疾走中。
10、10、10(テンテンテーン)ってねー ♪
♨皆様の秋の夜長を華麗に、
そしておちゃめに彩るべく
頑張っておりまする。 ♨
♡落ち葉舞うウエストヴィレッジのDuplexで、
ぜひお会いいたしましょう♡
公演日:10月10日(金)午後9時半開演
劇場 :クリストファー・ストリートのゲイバー「DUPLEXシアター」
予約 :http://www.theduplex.com/~thedup/webcalendar/view_entry.php?id=8770&date=20141010
NYにお住まいの皆さん、
またその時期に日本からNYに来られる旅行者の方
その日のスケジュールはしっかり空けといてちょうだい!!
さて今回ご紹介する舞台は・・・
ある夫婦の『結婚』の過去、現在、未来の諸相を描いた超話題作
「Scenes From a Marriage」
まずこの野心的な演劇の基となっているのは
1973年のTVシリーズ「ある結婚の風景」
脚本、監督は20世紀のスウェーデンが生んだ映画界の巨匠、イングマール・ベイルマンさま。
実はベイルマン氏自身も、
5回もの結婚&離婚を経験したとか。
それに費やされたエネルギーを考えただけで、
気が遠くなっちゃうけど、
ベイルマンちゃんたら、
しっかりその経験を
おのがゲージュツに昇華しちゃったんだから、
やっぱ天才は違うわぁー !
この赤裸々に結婚のリアリティーを
追求したドラマは
当時センセーションになって、
その年のスウェーデンの離婚が
一気に倍増したてんだから、
こりゃーヘヴィー級の題材だわさー。
さて、舞台版の演出はイヴォ・ヴァンホーヴ。
一体彼は、どんな仕掛けをもって
このヘヴィー級の題材に果敢にチャレンジしたのか?
まず、本作は劇場への入場の仕方が超変わっている!
1、劇場窓口でチケットと 一緒に渡されるのは
桃色、黄色、青色、 いずれかのペーパーバンド。
ちなみに私は桃色だった。
2、観客はそれを手首に巻き巻,後藤真希なんちゃって、苦笑
3、入場はする際は、その色分けされた、
それぞれの劇場へ入る。
劇場のキャパは200席
しかし、本作では
それがすべて取り払われ、
そこに・・・・・
各50名ほどが座れる
桃(未来)
黄(現在)
青(過去) の3つが小部屋が仮設され,
おのおの部屋で、ある夫婦の 過去、現在、未来が
それぞれ同時進行で演じられているという演出。
主な登場人物は 夫婦のジョアンとマリアンヌ
(これ日本だったら、スウェーデン語読みでヨハンとかに、なるのかなー??)
もちろん、それぞれの部屋で
過去、現在、未来の芝居が
同時に進行しているわけで
役にそれぞれ3人ずつ(計6人)俳優がいるわけだ。
あくまで仮設の劇場。
となりで行われている芝居の声は筒抜け。
叫び声などが、まる聞こえなのだぁー!!
それが、時空を超えた夫婦の状況を反響させて、
不思議な効果音になってるんだなぁー!
だから、観る側は、
目前のある夫婦の過去、現在、未来が互いに共鳴し合う様を、
一緒くたんに見せられてるという、錯覚にとらわれるのさ。
それももともとオフの小さな劇場
そこをまた3つに仕切っているわけなので
目の前で来る広げられる芝居は・・・
他人様の親密なリビングにお邪魔しちゃった感満載。
一幕はそれぞれ30分。
芝居が終わると・・・・
俳優から 「次の部屋に移動して下さーい」 と
案内があり、観客は次の部屋に移動。
私の場合は、 未来 → 過去 → 現在、 その順番で観劇
インターミッションは長め
観客は全員劇場から追い出され、
外で待つこと30分
一幕では3つに別れていた劇場の入り口は
二幕では全員同じ入り口から入場する。
すると劇場内は・・・・・
先ほどまであった3つの劇場の仕切りがすべて取り外され、
広い空間に・・・
そこを囲むように座席が特設。
そう、30分の休憩中に装置を取り替えたのよー!
肝心な二幕は・・・
現在の二人
別れて半年後に男性のオフィスで再会
お互いに愛人がいるのに・・・
そこでいきなり熱いセックス、
きゃーおかあたまぁー!
その後は、飲酒して泥酔して、
挙句に大げんか
イヤハヤナントモ・・・
風変わりなのは、
夫婦3組が全く同じ台詞をしゃべること。
が、しかーーーし
それぞれ違う演出
だから、役者の演技が比較されるから
俳優としての力量が問われるのさ!
印象的だったエンディング。
結婚って・・・何?
マリアンヌが実母に
「お母さんにとって結婚って?」 と聞く。
母は、「ただ一緒にいるだけ、愛も何もない」と・・・・
なんか身もふたもない、
それが現実ってことなのぉー?
何より素晴らしいのは、50年も前の作品に、
その大胆で斬新な演出方法を加えて、
しかもその手法が、安易で小手先のギミックに堕することなく、
全く新しいエンタメとして蘇らせてしまったその手腕。
同時進行劇は、
フェイスブックをチラ見しながら、
エッチ動画も見ながら
パンドラでBGMかけて、
メールとチャットも同時にこなす・・・みたいな
マルチタスキングが日常のせっかちな私達にはピッタリ !
敢えて似ても居ない俳優達に、
違う時代とは言え、
同一人物を演じさせることは、
この二人の結婚をより普遍的な問題提起にまで
おし拡げる事に成功しちゃってる。
しっかし、いくら優れた舞台芸術とは言え、
そこに描かれている結婚生活の
世知辛さ、
味気なさ、
身もふたもなさっぷり
と来た日にゃもう・・・。
実はね、子供のころ「お嫁さんになりたーい」と思っていたワタクシ。
もち男とね!
その夢が今年実現しちゃったわけですが、
(詳しくは女性自身9月16号を参考になすってね♡)
そんなワタクシには、ちと刺戟が強過ぎたかも。
ただでさえ、晩婚化少子高齢化で
危機的状況とされるニッポンのお客様には、
ある意味勧めちゃいけないのかしらー、と
多少複雑な心境ざーます、笑
しかし、さすが既成概念をぶち壊すことが大好きなオフ・ブロードウェイ。
久々にシュールな体感劇を堪能!
3時間30分の長丁場だが、余は満足じゃった!
「 Scenes From A Marrige」の制作は、
ミュージカルの傑作と言われる「RENT」 が産まれた
オフ・ブロードウェイのNYTW。
演劇創作と環境整備を行っている非営利演劇団体だ!
実は、そういった動きが日本にも!
最近、俳優浜畑賢吉さんが
演劇を心から愛する役者として
利潤追求に偏りすぎる傾向のある、
日本の商業演劇の世界を変えるべく
日本の劇場文化を発展させることを目的とした
団体 「テ・ア・ト・ロ・ン」を立ち上げたのさ!
バンザイ、バンザイ!
ただ今、FBでメンバー急増中。
もち、私も陰ながら応援します!
公演は10月26日まで
もしこれを我が母国で上演するとしたら・・・
6人の内の一組には ぜひ・・・・
川崎麻世さんとカイヤさんの共演を
ニッポンのリアルでシビアなアルアル夫婦像を
演じていただきとう存じます。
トシカプ評:★★★★
ブロードウェイってミュージカルって、楽しいだけでなく、
人生訓がいっぱい詰まった 素晴らしいもんなんですね。
79 East 4th Street
New York, NY 10003
いきなりですが、
軽〜く近代音楽史をば・・・
と言っても、
70年代にポピュラー・ミュージック界を席巻した
『ディスコ・ミュージック』ってジャンルのお話ね。
もう洋楽から歌謡曲までが、
乱れ咲いたあだ花のごとき
そのダンス・ミュージック色に染まって、
ロッド・スチュアートというロック歌手から、
岩崎宏美らアイドル歌手までが
似た様なアレンジ&曲調で
歌ってたんだかぁースゴいよねー。
恥ずかしながら、
かく言う私の青春時代の
BGMの一つでもあるわけでして・・・
当時駆け出しの私も、
新宿二丁目のMAKOっていう
四畳半くらの小さなディスコ通いして
それらの曲聞きながら、
ミラーボールの下で
よー男をナンパしていたわぁー♡
ほどなくそのブームは終わっちゃうんだけど、
数あるヒット曲やパフォーマーの中でも、
唯一生き残ったのは
せいぜいドナ・サマーくらい?
でもその流れは、
今をときめくレディ・ガガや
もっと前のマドンナあたりに
脈々と受け継がれているわけでして・・・
そこでドナ・サマーと来たら
もう一人、忘れちゃイケナイのが・・
全米ディスコチャート6週連続1位の偉業を勝ち取った
「You Make Me Feel Mighty Real」
そして
「Do you wanna funk」 などを
ハイトーンの裏声でヒットさせた
シルヴェスター様
見た目は・・・
デビューしたころの垢抜けないジェニファー・ハドソン・・
はたまた・・・
『♪ちゃっきりちゃっきりちゃっきりな、ちゃっきり娘がとびだ~し~た~♬』 の
漫才トリオ「ちゃっきり娘」の正面右側で
ギターを抱えているオバちゃんを
ファンキーなオネェにした感じ。
なんかに似ていたワぁー 笑
そんな彼が、ついにジュークボックス・ミュージカルになって
オフ・ブロードウェイに登場したのさー!
タイトルが・・
「MIGHTY REAL: A FABULOUS SYLVESTER MUSICAL」
1988年に41歳でエイズで
お亡くなりになったご本人様が
ラスト・コンサートをやるために
天国からこの下界に
お戻りになられるという筋書きなのよ。
主演、脚本、共同演出はアンソニー・ウェイン
「ピピン」、「プリシラ」、「エニシング・ゴーズ」など
ブロードウェイ・ミュージカルでも大活躍の黒人俳優なのさ。
タイルのような真っ白の歯が
印象的なイケメンで
細マッチョ系のバディもキレッキレ
MXテレビ「5時に夢中!」のえんどぅも真っ青ヨ♡
シルヴェスター役のウェインさんのステージは
超ハイエナジー。
強靭な声帯から湧き出る、
力強いファルセットと
大容量のハイカツリョーでもって歌いまくり
パパイヤ鈴木もぶっ飛ぶ
往年のディスコステップで、
踊りながら劇場内を所狭しと走り回るのさ!
音楽のテンポはオリジナルより速く
最初から最後までノリノリ
ディスコ好きにはたまらない選曲の数々!
バンドは、オフにしては稀な5人編成
ギター、ベース、キーボード、ドラム
なんとトランペットまでも編成した豪華版
バックアップシンガーもなんと4人!
その内二人は、80年代ゲイ・ディスコ系の
一発屋と言われる黒人女性ドゥオ、ウエザー・ガールズとなり、
シルヴェスター様との絡むという演出なのさ!
その辺、気合い入ってます!
そのウエザー・ガールズも、
まー言ってみれば脇役なのだけど、
間の取り方、破壊力のある歌唱力も圧巻!
さすが、ブロードウェイ・・・凄い・・
アンサンブルでもその実力は圧倒的やね!!
また、照明も・・・
ミラーボールを随所に
ディスコの殿堂スタジオ54を思わせるキラビやかさ
ファンキーなノリノリのディスコサウンドもさることながら
見どころは,ド派手なキラキラ系の衣装
コスチュームチェンジは4回も・・
特に目を引いたのが
真っ赤な口紅とネール、
そして赤いハイヒール
衣装は、真っ白な上下のスーツ
胸につけた赤い薔薇がアクセント
そして ショーの最後のナンバーで身につける
ジャパニーズをイメージしたお召し物はファビュラス!
こんなに野心的で、
ハイ・エナジーのパフォーマンスだと言うのに、
残念ながら脚本が・・・
弱〜い!
これって本当に勿体ない。
やれゲイだ
オネェだ
セクシャル・マイノリティだっていう
今より30年も前に、
黒人男性で
中性的なイメージを包み隠す事もせず、
短くもドラマチックな人生を送ったに違いない
彼の話なのに・・・・
当時の抑圧的な社会にもの申すというメッセージがベタ。
そしてそれ以外はなーんか漠然としてる。
彼の生き様をもっとリアルに深く
観客がイメージできるような脚本であれば、
絶対に大ヒットして、
天国のシルヴェスター様も
きっと諸手を叩いて喜んだだろうに・・
ライブ・ディスコ・パフォーマンスとしては、
歌唱と振付はかなりの出来。
だけど演劇としては残念賞レベル。
なので、
ディスコ全盛時代に
青春を送り
ボーイ・ジョージ
ビレッジ・ピープル
デッド・オア・ライブあたりに、
グッと来てしまう、年増のオネェさんと
21世紀生まれだってのに、
なんの因果か
「恋するフォーチュン・クッキー」のサウンドが
チョーイケてるって思ってしまうお若い方
以外にはお薦めいたしません。
ちなみに小劇場なので
25ドルの席で十分
ハイ。
トシカプ評:★★
ブロードウェイってミュージカルって、楽しいだけでなく、
人生訓がいっぱい詰まった 素晴らしいもんなんですね。
Theatre at St. Clement's
423 West 46th Street
New York, New York
最近のブロードウェイのチケットの高騰ぶり。
ちょっと目に余るよねぇー!
通常、オーケストラ席(一階席)で150ドル前後。
人気が出ると・・・・
プレミアチケット(premium ticket)化されて、
値段が2倍以上というぼったくり価格に。
まさに、
貴様
何様
殿様商売なのよね〜。
これをブロードウェイの
プレミアム・ダフ屋七変化
と言わずとして、何と言おうかっ!
おまけに、
ジリジリと下がって来てる、
我らが日本円のダブル・パーンチ!!
なので、日本からまとめて観劇するために
はるばる渡紐される方々の懊悩煩悶(おうのうはんもん)、お察し致しまする。
しかも、
この観劇インフレは、
もはやオンだけにとどまらーず、
オフのチケットにまで
波及しちゃってるつーんだから始末が悪い。
10年位前まで、
ジャクソン様一枚(20ドル札のこと)もありゃー、
余裕で観劇出来たのに・・
ここ数年でそのチケット代も見る間に高騰。
私のお薦めミュージカル「HERE LIES LOVE」は
オフのくせしやがって週末のチケットなんて139ドルだぜェ〜。
(値段はともかくも、素敵なHLLについて当ブログを参照なさってェ〜)
https://www.fujisankei.com/toshicappuccino/2013/06/here-lies-love.html
ここまで来ると、もう、オンとオフの境目なんてなーい!
まーそんなブロードウェイの高踏的高騰の中、
お手軽な良心的価格(45ドル)で御覧頂ける
オフのミュージカルがあるっつーんで、
お忍びで冷やかしに参りましたの・・・オーホッホッ・・・
(ソンナワタシ貴様!!姫様♡)
タイトルは・・・
「FABULOUS! - The Queen of New Musical Comedies」
はいはい、クイーンの文字が踊っとります、笑
お察しのよいアータならすでにお判りでしょ?
ゲイ・テイスト満載のミュージカルざーます。
マタカヨッ!なんて言わんといて〜♡
ストーリーは・・・・
舞台は豪華客船。
女性キャバレースターとして船に乗り込んだ、
ドラッグ・クイーンのローラとジェーンが
殺人事件で巻き込まれながらも、
愛と仕事の成功を勝ち取るために七転八倒する
ゲイとビアンの巻き起こすドタバタ騒動記なのさー。
芸術は模倣から始まると申しますが、
本作は、
映画「お熱いのがお好き」や
ミュージカル「エニシング・ゴーズ」に
ドラッグ・クイーンの役を無理矢理 突っ込で、
切り貼り
寄木
接ぎ木して
完成ー、みたいな感じかしら・・・
音楽の方も・・・
伝説のコール・ポーター様や
ジョージ・ガーシュイン様を
参考にして創作したのだろう、
と察せられ、まあ耳障りは悪くはございませんが、
これをブロードウェイの黄金時代への
オマージュとかなんとか、
適当こいて逃げ切る気なのね〜
なんて、意地悪なゲスの勘繰りを
レースのハンケチで
しっかりと押さえたワタクスィ♡
強いて申せば、
船員のコーラス・ボーイズ4人を
登場させることで、
おかまレビュー的な要素もたっぷり。
ちと、客に迎合し過ぎなのだけど、
攻撃的なおかましゃべりと所作は、
見る人によっちゃ、見どころなのかも?
出演者のほとんどは、
オフ・ブロードウェイ・ショーのド新人さんたち。
地方の演劇大学卒業後、NYに来てまだ数ヶ月ってな
新米ニューヨーカー達によって構成されているのさ・・
だからか、役者は凄ーく一生懸命。
その奮闘努力振りは、
非常に好感が持てるのだけど・・
さすがに制作面のショボさは、拭いきれなかった・・・
伴奏はシンセ一台。
衣装はハロウィーン仮装大賞レベル。
舞台装置も安普請なのさー。
あーなんだか欠点ばかり挙げ連ねてしまった、
ショージキ者のアタクスィ・・・
有り体に申し上げれば、
オンの絢爛豪華、
重厚長大のミュージカルに飽いた後の
アンニュイなアータの箸休め、
として観劇されるのがヨロシイかと・・・
アッパーイーストのおフレンチのヘビー・ソースや、
築地直送の高級マグロにも飽き気味な時に、
中華街のモットー通りあたりで、
小籠包をつつく、みたいな・・・
きゃ〜飽食の秋深し〜なのなのね〜ん・・・
公演は10月27日まで
トシカプ評:★
ブロードウェイってミュージカルって、楽しいだけでなく、
人生訓がいっぱい詰まった 素晴らしいもんなんですね。
Times Square Arts Center
300 W 43rd St, New York, NY 10036