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トシ・カプチーノ

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ToshiHeadShot_2014.jpegのサムネイル画像舞台芸術評論家、プロデューサー、タレント。「STOMP」,「RENT」の日本公演に携わる。コメンテーターとしてテレビやラジオにも活動の場を拡大。トークショー「トシ・カプのブロードウェイ言いたい放題」は、内容の濃さと面白さで好評を博す。NYのジャーナリストや演劇評論家130名で構成されるドラマ・デスク賞の審査員を務めている。ワハハ本舗所属。



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男女の可能性を描く芝居『星ノ数ホド(Constellations)』

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一ヶ月ぶりにニューヨークに戻ってきました!  

 

 

 

タイミングよく

放映されたテレビ番組

良い影響もあったのでしょうか!? 

 

 

 

お蔭様をもちまして、

日本でも「シシーボーイ」は、

連日立ち見が出る程の大入り満員! 

 

 

 

本当にありがとうございました!  

 

 

 

さて、

 

 

今回ご紹介もうしあげるのは、

色々な意味で、

ブロードウェイならではの

洗練

清新さ、

豪華さを

兼ね備えた佳作

 

 

 

 

『星ノ数ホド(Constellations)』   

 

.

3330.jpeg 

 

 

まず注目したいのが主演の

 

 

ジェイク・ジレンホール様 

 

 

彼は実力派の映画俳優として

ハリウッドでも評価の高い役者。

 

 

アカデミー作品賞を取った

『ブロークバック・マウンテン』では、

カウボーイ同士の濡れ場、なんて言う、

結構ドッキリ&リスキーな役にも果敢に挑戦!

ご覧になった方も多いのでは?

 

 

 

実は昨年末から、今年にかけて 

ヒュー・ジャックマン「リバー」 

ブラッドリー・クーパー「エレファント・マン」 など、

ハリウッドの大物俳優が

続々とブロードウェイの舞台に進出しておりますが、

そんな中でも、ジレンホールが、頭一つ抜きん出た感じ。   

 

銀幕でも舞台でも輝く事のできる

稀なスターであることを当舞台で見せつけたのさー!

余談だけど、ルックスとセックスアピールも断トツやね!! 

 

 

本作でも、

相手役のベテラン女優ルース・ウィルソンに

全く引けを取らない大熱演。

二人の相性も抜群やね!

 

 

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 .

 

脚本を手掛けたのは

ニック・ペインという

イギリス気鋭の劇作家!

 

 

 

本作は、2012 年ロンドンで初演。

翌年のイギリス版トニー賞であるオリヴィエ賞で

作品賞にノミネートされた注目作!

 

 

 

物語は、ある雨の日の何気ない男女の出会いから・・

いわゆる男女の恋愛譚なんですわ。

 

 

 

見どころ

 

◎やっぱり、ジェイク・ジレンホール  

 

 繰り返しになりますが、彼から溢れるオーラ、

 圧倒的な存在感だけでなく 

 小気味よい芝居のテンポの中で 

 一瞬にして全く別人になりきる集中力の凄さ。 

 舞台俳優としても実力と魅力を持ち合わせた逸材やね。

 

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◎演出

 

 通常だったら、芝居はまっすぐに

 物語に沿って一本線上を進んで行くわけだけど 

 本作の場合、いろいろな情景のシーンを 

 同じ台詞で、少しづつ異なるニュアンスや抑揚で

 演じ分けのパターン見せるという画期的な演出なのさ  

 

 例えば 

 Aシーン → 10通り 

 Bシーン → 10通り 

 Cシーン → 10通り 

 Dシーン → 10通り 

 Eシーン → 10通り  

 

 そのことで、星の数ほどある男女の

 可能性を描いている二人芝居。 

 休憩なしの70分一本勝負なのさ! 

 

 

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人生って、様々な選択の連続。  

 

朝起きて、先ず始めに歯を磨くのか、

 

それともトイレに駆け込むのか、

 

それともパソコンを立ち上げるのか、 

 

それとも、それとも・・・・・。   

 

 

私達は、日々、職場や学校など、

色々な場面で、大小様々な決断を強いられるわけ。 

 

 

特に恋愛に於いては、

何気ない一言や仕草が、

その後の展開に大いなる影響を

及ぼす事だって或るわけで。 

誰しもその中から最前のものを選びたい、

試行錯誤を続けて生きているわけで・・ 

 

 

直感を信じる私は、

それが吉と出ようが凶と出ようが、

それが答えだと信じているのよー!  

 

 

旬の役者さんが、洗練された演出で

舞台上に見事な火花を散らす。 

こんな贅沢な舞台を観る事のできる

恵まれた地元の方々は勿論の事、

NYへ弾丸観劇ツアーに

ご来紐される方にもオススメの一本!  

 

 

 

で、公演スケジュールを調べたら

ぎゃー、3月15日で閉幕・・・

って今日やん、すんまへん。   

 

 

 

日本では、すでに昨年12月に同作品が、 

浦井健治さまと鈴木杏さまのお二人によって

翻訳上演されているんですねー。   

もし再演をするのなら、

 

 

 

藤原紀香様

 

陣内智則様

 

 

 

のご両人にお願いしたい。  

 

 

 

いろいろ過去にあった事など、

ヲトナな対応で乗り越えて、 

★の数ホドある男女の可能性を演じることで、

復縁も期待できるかぁ?!    

 

 

 

ブロードウェイってミュージカルって、楽しいだけでなく、               

人生訓がいっぱい詰まった 素晴らしいもんなんですね。                            

 

 

 

トシカプ評:★★★★      

 

 

 

Samuel J. Friedman Theatre 

261 West 47th Street 

New York, New York 10036

 

 



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March 15, 2015 3:35 PMComment(0)

新作ミュージカル「HONEYMOON IN VEGAS」歌って踊って笑っての180分

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暦の上じゃ〜

立春の豆まきも済んだちゅーのに、

 

 

ニューヨークじゃー

まだまだマイナス気温続き

おまけに北風も強くて、

まるで冷凍庫の中で

扇風機にあてっているよう・・ 

 

 

なので、本日は

 

つくねなべ並のホットな情報で

あったか〜くして差し上げてよ〜♥️ 

 

 

さて、

 

ブロードウェイの新作の開幕は

10月から12月の秋冬に集中。   

これは夏の時期、

エンタメ界を牛耳るハイソな方々

避暑地へ出かけちゃうから?

 

そのため、彼らがNYに戻るが、

第一弾の開幕ラッシュ!?  

 

 

そして、  

 

 

寒さも一段落し、

賞レースに有利だと言われる

トニー賞ノミネート発表前

3月から4月の春が

第二弾の開幕ラッシュとなるわけさ。    

 

 

せっかく汗水流して

一所懸命作った作品、

トニー賞審査員の

記憶に残りやすいタイミングで、 

開幕させたいってのは、

そりゃー人情ってもんでしょ。     

 

 

で、その逆、

 

 

 

プロデューサーが避けるのは1月と2月。 

感謝祭や降誕祭のお祭り気分も過ぎて、

ニューヨークがただただ寒いだけ

灰色の街になっちまう季節。 

 

 

 

厳寒や積雪が引き金となって

観客が激減するこの時期は、

閉幕を余儀なくされる作品も多々なのだ。   

 

 

だから・・・

 

 

チケットを1枚買えば、

もれなくもう一枚プレゼントと、

金銀パールプレゼント並

 

超お得なプロモーションを

しかけたりなど、

なりふり構わぬ

安売り合戦を展開するのさ。

 

 

 

雨にも風にも負けずな

コアな観劇ファン

あーたにとっちゃ

逆に狙い目とも言えるわねー。   

 

今回は、そんな最悪な1月に開幕してもうた

新作ミュージカルをご紹介・・・    

 

 

 

 

「ハネムーン・イン・べガス」      

 

 

 

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本題に行く前にちょこっと今シーズンの

新作ミュージカルの惨憺たる興行成績をチェーック・・・

 

 

 

◎トップを切って開幕した 新作ミュージカル

「Holler If Ya Hear Me」2014年7月20日閉幕   

 

◎スティングの超大型ミュージカル

「ザ・ラスト・シップ」2015年1月24日閉幕   

 

◎演劇ファン期待の再演ミュージカル

「サイド・ショウ」2015年1月4日閉幕   

 

◎上演中とはいえ、再演ミュージカル

「オン・ザ・タウン」も首の薄皮一枚状態  

 

 

 

  きびしーいっ、(古っ・・財津一郎風)  

 

 

 

果たして「ハネムーン・イン・べガス」は、  

氷のように冷え切ったニューヨーカーを

温めてくれる 傑作ミュージカルになるのか⁈  

 

 

 

本作は1992年の同名映画の焼き直し。  

映画・舞台版とも脚本家は同じ。 

 

 

映画版では主人公ジャックにニコラス・ケイジ、  

相手役にサラ・ジェシカパーカーを配し、

興行的にはポテンヒット。   

 

舞台版はその物語をほぼそのまま脚本化!    

 

 

ストーリーは・・・

 

結婚適齢期のジャックは

長年チャーミングな恋人ベツィとつき合っている。  

がしかし、「結婚だけは絶対にするな」

という亡き母の遺言に縛れ

ベッツィとの結婚に踏み切れずにいる。 

ある日、ついに結婚を決意したジャックは

彼女と一路ラスベガスへ。 

そこにはジャックの恋仇となる 

カジノ界の大物詐欺師トニーが

二人を待ち構えていたのさ・・・    

 

 

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見どころ・・・     

 

◎能天気なドタバタ劇    

 ここ最近、暗め重めの芝居やミュージカルばかり   

 しかも、世間じゃ気が滅入る嫌なニュースも・・・   

 本作はそんな凹みを吹き飛ばしてくれる

 歌って笑って踊って180分。     

 特に2幕はナンセンスシーン満載

 カメハメハ大王の像が歌に始まり   

 数十人のエルビス・プレスリーの

 モノマネ芸人を絡めたりと、

 爆笑に次ぐ爆笑!      

 

 

 

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 ◎音楽と脚本が見事にマッチ  

 音楽を手掛けたのは

 トニー賞作曲家ジェイソン・ロバート・ブラウンって人。   

 いろいろなジャンル対応の器用な作家で、

 代表作はトニー賞受賞作「マディソン郡の橋」。   

 本作では50、60年代を彷彿とさせる

 フランク・シナトラ風ナンバーもたっぷり。       

 

 

 

主人公ジャックを演じたのはロブ・マッククルーアー。 

昨年、大コケしたミュージカル「チャップリン」で

タイトルロールを演じた人だ。  

前作に比べ、かなり生き生きと、

マザコンのオタクっぽい男性役、ジャックを大好演!  

 

 

 

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 結婚の最大の障害となる、

カジノの詐欺師に扮するのはトニー・ダンザ。  

70年代から80年代にかけて、アメリカのホームドラマ

「タクシー」、「フーズ・ザ・ボス」などで

一世風靡した二枚目俳優。 

名前は知らなくとも顔を見れば、

あーこの人って わかるほど知られた存在なのだ。  

 

 

 

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さすが大ベテラン、演技も歌も卒なくこなすトニー・ダンザ。

NYタイムズ紙の劇評は、褒めちぎり・・・袖の下?笑 

私には、70年代のテレビキャラが強過ぎて

というかとっくに賞味期限切れ・・・

 

しかも助演のはずなのに、

楽曲、演出すべて主役より目立っているし・・・

 

意味わからんわ・・・

 

 

さりながら、そんな厳寒に耐えうる

ポテンヒットの可能性を秘めた

このコメディミュージカル、

ほとほとついてない・・   

 

1、開幕がブロードウェイの観客動員が厳しい1月  

 

1、宣伝が足りんと・・・開演後、PR広報会社を変えるという珍事   

 

1、ラスベガスものは、ブロードウェイではタブーというジンクス       

 

 

 

その結果・・・・  

 

 

観客動員が伸びず、すでに黄色信号点滅中!  

この手のラブ・コメディ・ミュージカルが

一般に認知されるまで  果たして延命できるのか、

 

 

かなり微妙。   

 

 

 

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個人的には、つかの間寒さを忘れさせてくれる、 

お気楽コメディミュージカルとして、 

その存在価値をみとめているので、

 

春を迎える前に、笑いの一花咲かせたいって方々は

お急ぎになった方がよろしいかと・・・・        

 

 

 

 

さて、本作を翻訳上演するのなら・・・・         

 

 

 

主役のジャックは・・・・

 

 

吉本新喜劇の座長 、茂造役が大ブレイク中の

 

 

 

 

辻本 茂雄さま        

 

 

 

そして        

 

 

助演のトミー役は「おじゃましますぅー」❤️の

 

 

 

 

島田一の介さま         

 

 

 

この際、おもろければ歌唱力なんてどうでもよかと!  

この配役なら、抱腹絶倒間違いなし! 

吉本新喜劇のミュージカル路線・・いいんじゃな〜い?         

 

 

ブロードウェイってミュージカルって、楽しいだけでなく、             

人生訓がいっぱい詰まった 素晴らしいもんなんですね。                  

 

 

 

トシカプ評:★★              

 

 

 

Nederlander Theatre  

 

 

 

 

208 West 41st Street  

New York, New York 

10036

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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February 14, 2015 6:56 AMComment(0)

再演プレイ「A DELICATE BALANCE」〜 演劇界の夢の競演

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まずは、映画のお話から。  

 

 

私にとってサスペンス映画の傑作と言えば・・・

 

 

「危険な情事」

 

 

ストーカーという言葉さえ

未だ使われなかった80年代、 

究極のストーカー的恐怖を描いて、

そりゃーもー、世間に衝撃を与えた作品でした!  

 

 

石田純一さまじゃないけど

不倫は文化どころか、

こげん恐ろしか

オナゴにおうたら、

 

 

えりゃーこったい!

 

 

脛に傷をもつ(秘密を持った)

殿方達を震え上がらせたものでしたー!  

 

 

そして・・・

 

 

この映画の

成功の鍵を握っていたのが 

不気味なストーカー女を演じ

圧倒的な存在感を示した

 

 

グレン・クロース  

 

 

その怪演ぶりにおののき、私はそれ以来、彼女の大ファン!

 

 

 

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で、今回、彼女が久々に

ブロードウェイにカムバック! イェーイ!!

 

 

その作品が、再演モノの芝居

 

 

 

「デリケート・バランス」 

 

 

 

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戯曲を手掛けたのは

アメリカ演劇界の重鎮、エドワード・オルビー。  

代表作は、『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』 

 

石野真子のデビュー曲

「狼なんか怖くない」とは

全く関係ありません、念のため。    

 

 

初演は1966年。  

同年、マスコミ関係者が選ぶ

ピュリッツァー演劇賞を受賞。 

1973年には

名女優キャサリーン・ヘップバーン主演で映画化も、  

舞台版は今回の再演で2度目。

 

 

まず、劇場に入るなり、

目に飛び込んで来るのは

豪華なリビングルーム。  

 

 

細部に至るまで

作り込まれたセットの完璧さだけで、

観客は劇中に放り込まれるのよー。

 

 

 

ストーリーは・・・・

 

初老の夫婦トビアスとアグネスが

暮らすニューヨーク郊外の豪邸。 

そこにご近所の友人夫婦が訪問。

厚かましくも突然、その家に住み始めると言い出し、

娘が使っていた部屋を使い始める。   

そんな時、結婚した娘が突然実家に帰って来たために・・・    

 

 

 

アグネス役にグレン・クロース

旦那のトビアス役にジョン・リスゴー・・  

 

 

この有名実力派スター2人の舞台は

まー言ってみれば、

 

 

 

演劇界の夢の競演。  

 

 

 

もちろん開幕前から人気沸騰! 

開幕当初のチケット入手は

困難を極めたほど。  

 

 

 

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見どころ・・・・    

 

 

◎素材、役者・・・もちろん文句なし。 

 グレン・クロースとジョン・リスゴーを

 支える脇役も存在感タップリ!  

 特に、近隣住人の妻エドナを演じた

 

 

 クレア・ヒギンズ。

 

 

 面の皮が厚い図々しい

 中年女の役作りはピカイチ!  

 グレン・クロースを

 完全に喰ってしまうほど。  

    物語が進むにつれ、

   ヒギンズの出番を待ちわびたほどなのさ・・・  

 いや、 ググったら、彼女、

   映画や舞台で活躍する名脇役。  

 

 

 

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◎舞台装置、衣装   

 

 完璧! 手落ちなし・・

   っていえるほど完成度高し。

 装置も衣装も、

   素封家の老夫婦に使い込まれたような逸品ぞろい。

 

 まるで、

 

 Architectual Digestのページを切り取ったかの様。  

 

 

さて肝心要の演出も・・

と言いたかったのだけど、  

今回のパム・マッキノン

 

代表作「ヴァージニア・ウルフなんかこわくない」

   「クライボーン・パーク」)

 

の演出はどうも説明的。 

グレン・クロースとジョン・リスゴーの両巨頭の出演を

十分に行かせないまま 物語が淡々と進むだけ・・・

 

 

ちと眠気がなぁー。  

 

 

これだけの芸達者を集めた割には、

至高の舞台ならではの

 

魔法の火花

 

散らせるには至らなかったのは、勿体無い!

 

 

そんなわけで、チケット売上げは徐々に降下  

TKTSのチケット半額売り場でも入手可能なのさ。      

 

 

限定公演は2月22日まで。    

 

 

佳作とまでは言えないけれど、

それでも主演2人の滅多にない生共演を

見たいという方はお急ぎになって。  

 

 

さーてもし、本作を我らがニッポンで翻訳上演するとしたら・・・        

 

 

 

片平なぎさ  船越英一郎 のコンビ       

 

 

 

 

二時間ドラマ女王とサスペンスドラマの帝王を封印し  

エドワード・オルビーの世界で倦怠期を向かえた

初老夫婦が何気ない日常的心理の機微を見せて欲しい。        

 

 

 

ブロードウェイってミュージカルって、楽しいだけでなく、           

人生訓がいっぱい詰まった 素晴らしいもんなんですね。            

 

 

 

トシカプ評:★★★        

 

 

 

Golden Theatre  

252 West 45th Street  

New York, New York 10036  

 

 

 

 

 



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February 5, 2015 12:55 PMComment(0)

芝居「DISGRACED」邦題『侮辱された者』

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♪ いばぼ聴こえる、あのォ〜おフクロの声・・・♪ 

 

 

 

子供の頃、 いつもハカタの母に言われていたこと  

 

 

 

1位、早く寝らな! 

2位、テレビば消しんしゃい! 

3位、人ば見かけで判断したらいかんと!  

 

 

 

その3つを幼い私に繰り返し繰り返し諭し続けた母。   

 

 

 

それにしても、なぜ母が「人ばみかけで判断したらいかん」 

と口うるさく言っていたのか全く定かじゃないが、 

それがン十年も後のニューヨークに住む今、

凄く役に立っている事に驚かされる。 

 

 

 

 ♪ 思えば遠くェ来たァもんだ〜・・・♪  

(何故か武田鉄っちゃんで攻め続ける今日のあたくすぃ・・・)  

 

 

言わずと知れた人種のるつぼのココは 

人種によって扱いが違うことも多々。 

人によっては、そういった発言を嫌悪する人もいるが 

差別される側にとったら、黙ってはいられないのさ。

 

 

 

まー、私が差別された経験は置いといて、 

911のアメリカ同時多発テロ以後 

アラブ系の人々へ向けられた差別や偏見が大きい。  

 

 

そして折しも、新年早々、

おとそ気分を一気に覚醒させた、凄惨なパリのテロ。   

 

 

そんなシリアスな社会問題を映画や演劇を通して 

発信し続けているのがアヤド・アフタル氏

 

 

 

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その最新作が   

 

「DISGRACED」邦題『侮辱された者』

 

 

 

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2012年にシカゴで初演、 

その後、NYのオフ・ブロードウェイでも

上演され 翌年にピュリッアー賞を受賞。 

尻上がりに盛り上がって来ている、硬派のドラマなのだ。    

 

 

そして、今回、演劇人の夢舞台である 

ブロードウェイでの上演が決定したのさ!   

 

 

ストーリーは・・  

 

舞台はNYアッパー・イーストサイドの高級アパート 

パキスタン系アメリカ人の弁護士、

アミールと 妻である白人の芸術家エミリーは、

勝ち組として、なに不自由ない生活をおくっていた。 

しかし、ある日、白人を夫に持つ、

アミールの黒人女性の同僚夫婦を 

ディナーパーティに招待したとき、

お酒の勢いもあり 4人は次第に本音トークへと・・・ 

ついにはアメリカに蔓延るイスラム系人種への

偏見があぶり出されて行き・・・・・・

 

 

 

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見どころは・・・   

 

◎粒ぞろいのキャストの中でキラリは  

 主人公アミールに扮したのはハリー・ディロン    

 

 見た目はまさにアラブ系の彼だけれど  

 ちゃきちゃきのカリフォルニア生まれのアメリカ人俳優。  

 アメリカ人とパキスタン人のアイデンティティの狭間で  

 もがき悩み苦しむ主人公の大熱演!  

 浮気した妻を殴るシーンも息を呑んだぁー! 

 

 

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夫婦、友人 人は何を信じれば・・ といった普遍的なテーマ。 

そして、台頭するイスラム系のテロリズムという

ホット・トピックを扱いつつ、

宗教問題や人種問題に掛かる問題提起を、

ムダのないクレシェンドの効いた

キンバリー・シニアの演出は

観客に投げかける事に成功しているが、  

あまりに、テーマを追求しすぎたためか 

無理に4人の関係を破滅へと

導く演出が過剰に感じられる部分もなきにしもあらず・・

 

 

 

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ここで私事ではあるが、

昨年の感謝祭パーティでの出来事。 

毎年招待されている白人ご夫婦のお宅で、 

酔った私は、つい人種の話をしてしまい、 

そのお宅の奥様を泣かせてしまうという失態。   

 

 

よく言われる様にアメリカ人とのパーティで、

 

人種問題、

政治問題、

宗教問題

 

に繋がる 言動は慎む! 

 

 

百戦錬磨で、

地雷を踏み分ける俊敏さ、

 

または

 

いざ踏んでしまった時には、

それをものともしない強靭な論客以外は、

深入りしないのが鉄則だ。   

 

 

アメリカ生活も約20年になろうとしているが、 

「和を持って尊しと成す」日本で育ったからか 

漠然と日本人している私には

奥深ーい闇を覗き込む様な、

分かりづらい部分も感じてしまう。 

 

 

生まれた土地と育った土地の狭間で 

どういうアイデンティティを持ち得るか、

という事は 何処の国にいても

同じことは起こりえるということなのだろう。 

  

 

日本人の私からすると、

欠点や悪いところをわざとさらけ出す

ニューヨーカーのあけっぴろげな議論展開を

タイトなお芝居で楽しむ。

 

なんてココとロンドン位でしか出来ない、

ある意味とーっても贅沢なお楽しみ!   

生まれた国と育った国が違う方に

特におススメのお芝居だ。

 

 

公演は3月1日まで。   

 

 

 

さて、本作を日本で翻訳上演するのならば・・ この人しかいない・・・

 

 

ヒラインド・ケン

 

 

平井 堅に酷似した自称インド人のお方

 

 

 

彼のエスニックな雰囲気は、本作の役にどんぴしゃり! 

芝居の世界で新しい分野を拡げてみてはいかが?   

 

 

ブロードウェイってミュージカルって、楽しいだけでなく、          

人生訓がいっぱい詰まった 素晴らしいもんなんですね。    

 

 

トシカプ評:★★★   

 

 

Lyceum Theatre 

149 West 45th Street 

New York, New York 10036  



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January 27, 2015 5:46 AMComment(0)

芝居「It's a Only Play」〜パンダ興行ここに極まれり!

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明けましておめでとうございます! 

 

 

新年のご挨拶。

なんとか松の取れないうちに

と思っておりましたが、 

 

年末の慌ただしい中、まさかの

 

ギックリ腰

 

 

鬼のかく乱

 

 

ちゅーやつなのかすぃら・・・

 

 

しかし、

 

 

根っからの楽天家

あとは野となれ・・・

とばかりにお年賀も

そっちのけで、

連日パーティ三昧

 

おかげで腹回りは罰ゲーム中!  

 

そんな体たらくで、

遅ればせながら・・・ 

 

本年も本ブログともども、 

 

トシカプをお引き立ての程、

 

よろしくお願い申し上げます。  

 

 

 

さて、ここ数回、続けて紹介申し上げた 

ハリウッド・ドル箱スター主演のお芝居  

 

ヒュー・ジャック「THE RIVER」 

ブラッドリー・クーパー「エレファントマン」 など  

 

とにも角にも

今シーズンのブロードウェイは 

ハリウッド俳優の作品ばかりが大入り。 

 

作品の善し悪しなんて関係なく 

軒並み観客動員は100%越え! 

 

客席が埋まってなんぼじゃ、

 

 

ビバ、客寄せパンダ !

 

 

ってな感じでしょうか・・・。

 

 

 

そこで新春第一弾は・・・・  

いよいよパンダ興業ここに極まれリ〜。 

 

 

豪華三段重

 

キャビア

 

伊勢エビ入り

 

おせち料理

 

 

みたよな、錚々たるメンツをふんだんに集めたお芝居   

 

 

 

 

「It's Only a Play」

 

 

 

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お正月の初笑いにぴったり 

ショービジネスの裏側を 描く、

痛快爽快抱腹絶倒コメディなのよ。    

 

 

 

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脚本を手掛けたのはテレンス・マグナリー 

見た目は普通のおっさん・・・

だけどトニー賞常連、すでに4回受賞したゲイの脚本家 

代表作には・・「蜘蛛女のキス」、「マスタークラス」など 

 

 

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ストーリーは  

 

 

舞台はマンハッタンの超高級マンションで暮らすプロデューサーのお宅 

ある新作芝居のオープニングナイトを祝うパーティに集まった 

演出家、俳優、その知人など、芝居に作る人々の奮闘ぶりを描く

 

 

 

 

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本作の何が話題かって、豪華俳優の競演! 

米エンタメ3大賞を受賞した有名人たちがぞろぞろ!  

 

 

 

トニー賞受賞者 

ネイサン・レイン(「プロデューサーズ」) 

 

 

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マシュー・ブロデリック(「努力しないで出世する方法」) 

 

 

 

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ストッカード・チャニング(「ジョーエッグの死の一日」) 

 

 

 

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アカデミー賞受賞者 マーリー・エイブラハム(映画「アマデウス」)

 

 

 

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  エミー賞受賞者 メーガン・ムラーリー(TVドラマ「WILL & GRACE」)

 

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おまけに、映画「ハリポタ」のロン役

おなじみルパート・グリントまで 

盆、ハロウィーン、誕生日、感謝祭、

クリスマス、正月が一色単に来たような豪華さ!

 

 

 

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見どころ・・・・  

 

 

◎ネイサン・レイン  

 絶妙な笑いの間  

 やっぱ、このお方・・凄いわ!  

 天狗になろうが、  

 性格が悪かろうが ?

 ファンサービスが粗悪でも許しちゃう  

 天才だから!!! 

 

 

◎無名の俳優、ミカ・ストック  

 豪華絢爛のスターが高級車で

 劇場とホテルを行き来している中

 地下鉄で地味に劇場通する彼?  

 もちろん、ブロードウェイデビュー  

 役所は、しがないコートチェック係  

 しかーし、ネイサン・レインを喰ってしまうほどの  

 存在感でショーを盛り上げるキーパースンなのだぁー!

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ブロードウェイのバックステージものだもの 

劇中での、実在の有名人、舞台関係者を辛辣に

こき下ろす毒舌振りの痛快さと言ったらもう・・・。  

 

 

 

ですので、観劇をより楽しくするためのコレだけは知っておきたい!   

 

1、ベン・ブラントリー(NYタイムズの演劇評論家) 

1、NY1 ON STAGE (NYのケーブルテレビの演劇番組「オンステージ」) 

1、「ウィキッド」(ミュージカル) 

1、ダリル・ルース(8回トニー賞を受賞した敏腕プロデューサー) 

1、ハーヴェイ・ファイアスタイン(俳優、脚本家) 

1、トミー・チューン(演出振付家) 

1、オードラ・マクドナルド(女優)

1、バーナデット・ピーターズ(女優)

 

 

 

とにかく、有名人にこだわったショー 

 

まさに京都南座の顔見世興行のNY版だねーこりゃ。  

 

ストーリーに深い意味があるとか

メッセージが込められているとか

この際どーでもおよろしいんじゃなくって? 

 

スターを間近に見たい方どっかんどっかん初笑いして、

おせち腹をちょっち引き締めたいという、向きには超おススメだぁー!  

 

 

 

チケットはプレビュー公演発売と同時に売れる売れる! 

ネイサン・レインとマシュー・ブロデリックのゴールデン・コンビが共演すると 

確実にチケットが売れるのだぁー(どうもユダヤ系がお得意様のご様子?)

 

 

 

公演は1月18日までに延長されたが、ネイサン・レインは契約期限の1月4日で降板。 

その役をマーティン・ショートが引き継いだ。 

 

 

 

 

本作を翻訳上演するとしたら・・・ 

ネイサンが演じた毒舌キャラのスター役には・・・     

 

 

 

 

坂上忍さま     

 

 

 

 

役者生活40年、歯に衣着せぬ毒舌を舞台でもどうぞ!      

 

 

 

ブロードウェイってミュージカルって、楽しいだけでなく、         

人生訓がいっぱい詰まった 素晴らしいもんなんですね。                                  

 

 

 

 

トシカプ評:★★★    

 

 

 

 

Gerald Schoenfeld Theatre 

236 West 45th Street 

New York, New York 10036

 

 

 

 



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January 8, 2015 4:18 PMComment(0)