先週もお伝えしましたが、全米各地の大学に拡大した親パレスチナ抗議デモ。発端となった、ニューヨークのコロンビア大学では、警察が介入し抗議デモのキャンプを強制撤去し、居残る学生らを退去させる強硬手段にでました。
先月30日(火)、大学側から事前に通告があったデモキャンプ撤去期限の夕方、コロンビア大学前には、警官隊が集まり大学内の建物などから強制的に学生らを退去させました。
武装した警官隊と学生たちの間で衝突が起こり、警察は、次々と抵抗する者を拘束。ニューヨーク市内の他の大学も含めおよそ300人が拘束されたと発表されました。
大学内のハミルトンホールという建物は、学生らが占拠していましたが、警察の特殊部隊などが窓から侵入し、バリケードなどを立てて、立てこもっていた学生らを退去させました。
警察の介入は、大学の学長から要請されたもので、元警察署長の経歴をもつ、ニューヨークのアダムス市長は、介入の理由を説明しました。
エリック・アダムス市長「平和的抗議活動であるべきだったが、外部の扇動者らが組織していた」
警察では、建物に立てこもっていた学生らを、犯罪者として起訴するとしています。
報道官「ハミルトンホールを占拠していた者は、第3級窃盗、反抗的行為、不法侵入などで起訴し、キャンパス内で抗議キャンプにいた者は、不法侵入、公務執行妨害などでの起訴となる」
メディアによると、全米の60近い大学で同様の抗議デモが行われていて、多くの都市で警察が介入、衝突や暴力行為なども起こっています。
西海岸のUCLA・カリフォルニア大学ロサンゼルス校では、親パレスチナ支持者とイスラエル支持者らが衝突し暴動に発展。
大学側は、学内の安全が保てないとして、全授業を休講する措置を取っています。
5月1日(水)は、労働者団結の日「メーデー」で、ニューヨークでもメーデーの集会が行われましたが、この集まりでも、親パレスチナの抗議運動が行われ、警察などが出動する騒ぎになっています。
警察による抗議活動の沈静化は、ニューヨーク市の大学では、ある程度成功しましたが、西海岸や西部などの都市では、多くの大学で抗議活動が激化しておりアメリカ全体に根強い広がりをみせています。