メリーランド州ボルチモアで26日火曜日未明に起きた巨大貨物船衝突による橋の崩落事故。水中に落ちた建設作業員のうち2人が遺体で見つかり、4人が未だ行方不明です。
26日、火曜日未明、ボルチモアの港湾をつなぐ主要道路でのおよそ2.6キロの長さのフランシス・スコット・キー橋の橋脚に、大量のコンテナを積んだ貨物船が衝突しました。衝突の衝撃は大きく、ほとんどの橋桁は10秒ほどで水中に崩れ落ちました。
当局によりますと、この事故のほんの少し前に貨物船からの無線で電気系統のトラブルで船のコントロールが効かないとの連絡が入り、緊急対応で橋の交通を一時停止させました。
緊急無線「キー橋の交通を停止する制御不能の船が接近中」
ムーア知事「緊急連絡を受け非常事態として迅速に交通を止めた判断に感謝したい。彼らはヒーローだ」
この機転により、橋の崩落前に一般車両は全て橋を通り抜けていましたが橋の上には、道路工事の建築作業員がまだ残っていました。
救助を行った担った沿岸警備隊によると、建設作業員8人が水中に落下、2人は救助され、うち1人が重体、残りの6人のうち、28日木曜日までに、2人を遺体で発見、4人は行方不明のままです。
事故を起こした貨物船は、シンガポール船籍の船でスリランカに向けボルチモアを出航、およそ30分後に事故が起こりました。
ABCニュースでは、2015年に建設された貨物船「ダリ」の航行記録を入手、過去に少なくとも2件の事故が記録されています。
記録によると、2023年6月の検査で、船のハンドルや計器メーター、温度計に欠陥が発見され、2016年には、ベルギーの港で、埠頭への衝突事故を起こし、その船体損傷で構造上の不備が指摘されています。
この橋を通る州間道路695号線は、東海岸における流通の要の道路で、事故による、海運、陸運などへの影響は非常に大きく、バイデン大統領も修復への全面的協力を約束するなど、復旧が急がれています。
4人の行方不明者の生存はほぼ絶望的と見られていて、当局では、今後は橋の復旧作業に重点を置くと発表しています。