イスラエルのガザへの地上攻撃が激化し戦争が泥沼化する中、米国内でのユダヤ系、パレスチナ系コミュニティの人々の間では、互いの緊張が危険なレベルに達しています。
そんな中、街中で抗議活動していたユダヤ人男性が、パレスチナ系のデモグループとの言い争いの末死亡する事件が発生しました。
5日、日曜日、ロサンゼルスなどカリフォルニア州各地で大規模な親パレスチナのデモが行われました。
ロサンゼルス近郊のベンチュラ郡でも、デモが行われていてこれに対抗して、イスラエル国旗を掲げて路上で抗議活動をしていたポール・ケスラーさん(69)が、親パレスチナデモグループと口論になったと、目撃者は語っています。
匿名の目撃者「デモの人たちは声を荒げて、ケスラーさんは誰かにメガホンで殴られ道に倒れました」
目撃者によると、ポールさんはその後歩道に倒れ、頭から出血しましたが、当初意識はあり、パレスチナ系の女性が介護しています。
しかし救急車で搬送されたケスラーさんは、病院で容体が変わり死亡しました。
ケスラーさんとトラブルがあったデモグループの一人は、その場で救急電話をし、警察官にも事情を説明したと言います。
警察当局は、この事故に関して起訴も容疑者の特定もしていないとコメントしています。イスラエルでの戦争開始から、アメリカ国内のユダヤ社会、イスラム社会双方の緊張は急激に高まっており、ある市民権利団体によると、反ユダヤ主義に関わる事件の発生率は、388パーセントも増加した、と報告されています。
インディアナ州インディアナポリスでは、34歳の女が、ユダヤ教学校と思われる建物に車を突っ込んだとして警察が逮捕されましたが、実はその団体は、過激な反ユダヤ主義のグループに属していたということです。
アメリカ国内では、ニューヨークなど大都市でもそれぞれのグループで、連日大規模な抗議活動が行われていて、市民生活にもさまざまな影響が出ているのを肌で感じます。