不倫相手への口止め料支払いを隠蔽するために行なった違法行為で起訴されているトランプ前大統領の公判が、今週22日、月曜日からニューヨーク州地方裁判所で始まり、証人が証言台にたち、驚くべき証言を述べています。
先週金曜日に、12人の陪審員の選出が終わり、月曜日には、検察・弁護側の冒頭弁論が行われ、それぞれが選んだ証人が証言を述べ始めました。
検察側は最初の証人として、タブロイド紙「ナショナル・インクワイヤラー」のオーナー兼CEOのデビッド・ペッカー氏を召喚。
ペッカー氏は、トランプ氏の長年の友人で、2016年の大統領選挙時に「女性問題に関する噂の揉み消し」をトランプ氏の弁護士と共謀したと証言しました。
ペッカー氏は、2015年にトランプ氏と弁護士から「もし誰かがトランプ氏の女性関係のネタを売ろうとしたら弁護士から連絡する」と告げられたと言い、その際はペッカー氏がネタを独占的に買い上げ、新聞に公開せずにお蔵入りにさせる、という隠蔽工作を行なったとしています。
ペッカー氏は、その他にも大統領選挙中にトランプ氏の政敵などの不利な記事を捏造するなどしたとされます。
一方、この裁判が始まる前から担当判事は、トランプ氏に対して「裁判に関わる全ての人に関して中傷や脅かしなどを禁止する」箝口令を出していましたが、再三の警告にも関わらず、証人などへの個人攻撃をするトランプ氏に関して、刑事罰を下す可能性を示唆。
場合によっては、裁判中に刑務所への収監もあり得るとした通告を出すことを検討しているとしています。
日本でも大きく取り上げられましたが、23日火曜日、裁判中のトランプ前大統領は、日本の麻生元総理大臣と会談を行い国際メディアのジャーナリストらからマイクを向けられましたが、裁判に関したことは、口にしませんでした。
メディアでは、箝口令違反に関して、トランプ氏収監という事態は起こり得ないとしながらも、大統領警護のシークレットサービスが、トランプ氏が、実際に刑務所に収監された場合、どういった警護体制を取るかについて検討しているとも伝えています。