去年末、コロラド州の最高裁判所がコロラド州での大統領選予備選にトランプ前大統領の出馬を認めないとする判決を下しましたが、この裁判所に男が侵入し、発砲する事件が起きました。
警察によりますと、2日午前1時過ぎ、コロラド州デンバー市内の州最高裁判所の建物の前で車の衝突事故が発生、運転していた男が銃を手にして降りてきました。
男は、裁判所の正面入り口のガラスにむけて発砲し、そこから建物に侵入しました。
男は銃を装備していない警備員に銃を突きつけ、鍵を奪い、7階まで上がって、建物から外に向けて発砲したということです。
その後も建物内で発砲し火災を起こすなど破壊行為を繰り返し籠城しましたが、およそ2時間後自ら警察に通報し投降したと言うことです。
逮捕されたのは、ブランドン・オルセン容疑者(44)で、強盗や不法侵入、放火などの罪で訴追されました。
コロラド州の最高裁では、去年12月に、2022年1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件で反乱に関与したとしてトランプ前大統領の予備選挙の出馬を認めない判決を下しましたが、裁判所や判事らに対して、脅迫などが相次いで報告されており、判事らの警備を強化している中での犯行でした。
捜査当局は、この今回の事件とこれまでの脅迫とは直接関連はないと発表しています。トランプ氏の予備選の出馬に関して、コロラド州以外にも、北部メーン州でも、州司法長官が同じく、出馬禁止の判断を下していてトランプ陣営側が、3日(水)に連邦最高裁に、この判断へ不服として上訴しました。
3日(水)午後に、メーン州の議事堂では、建物への爆破予告があったとし、会議中だった議員や州職員らが建物から避難し州警察が、建物を一時封鎖する出来事も起きています。
トランプ氏の大統領選への出馬を認めないという司法判断が、2つの州で下されてからスワッティングと呼ばれるいやがらせ電話や電子メールでの偽脅迫が、各州の裁判所などで増加していて、FBI・連邦捜査局などが監視体制を強めています。