23日、火曜日、ニューハンプシャー州で行われた共和党大統領予備選で、ドナルド・トランプ前大統領が、ニッキー・ヘイリー元国連大使を破り勝利しました。
これでトランプ氏が2つの州で、連続して指名を獲得し形勢は圧倒的とされていますが、今回のトランプ氏の言動に、余裕は感じられません。
前回のアイオワ州の党員集会で2位につけた、ロン・デサンティス・フロリダ州知事の撤退で、実質2人の候補者指名の争いとなったニューハンプシャー州の予備選挙ですが、得票率は、トランプ氏が54.6%、ヘイリー氏が43.1%で、トランプ氏が10ポイント以上の差をつけて勝利しました。
支持者の前で、勝利宣言を行なったトランプ氏ですが、その口から出たのは、破った相手のヘイリー氏への苛立ちのこもった言葉でした。
トランプ氏「彼女は、私が勝つ、私が勝つと言い続けたが、無惨に負けた。本当は私より怒ってるはずさ」
負ければ撤退も予想されたヘイリー氏ですが、支持者を前に自信満々の笑顔で登壇しました。
今回の選挙では、敗北はしましたが、ヘイリー氏は、無党派層と、学位を持つ教育レベルの高い有権者の間では過半数を獲得しており、今後の戦いに自信を示しました。
ヘイリー氏「戦いはまだ序盤、これから何十もの州があります。そして次は私の地元、サウスカロライナです」
しかしそのサウスカロライナ州の予備選挙もおよそ1カ月先、世論調査では、トランプ氏がヘイリー氏よりも30ポイントの差を付けています。
ヘイリー氏が最近の勢いを維持できるかどうかが鍵です。
ABCリック・クレイン選挙担当記者「ヘイリー氏は次のネバダ州に出ませんから、絶対にその次のサウスカロライナを獲らなくてはなりません」
一方、バイデン大統領は民主党ニューハンプシャー州の予備選で指名を獲得しました。
バイデン大統領「忘れないように。女性の権利と自由を剥奪したのはトランプと彼が判事指名した最高裁判所だ」
バイデン大統領は、トランプ氏が共和党の候補者になるのは明らかだと述べ、陣営はヘイリー氏の人気がこれ以上高まる事はないと見ています。
ヘイリー氏は、以前からトランプ氏とのテレビ討論での一騎打ちを望んでいますが、トランプ氏は裁判などを理由に、まだ一度も候補者同士のテレビ討論に出ていません。
その一方、トランプ氏は出頭義務のない裁判所に、わざわざ出頭して、一方的な主張をメディアに報道させ、討論のない支持集会をテレビ中継して、岩盤支持層をさらに固める戦略に出ています。
民主党バイデン大統領の選挙運動にも大きな動きがありました。
去年長期間のストライキを行い、賃金の大幅アップなどを勝ち取ったUAW、自動車労働組合は会合で24日、水曜日、バイデン大統領を支持すると正式に表明しました。
バイデン大統領は、去年9月UAWのストライキの現場を訪れ、大統領として初めて賃上げストに労働者とともに加わった点などが評価されUAW側が満場一致でバイデン氏支持を決めた、ということです。