機体の不具合などが次々と発覚し、問題を抱えている航空機製造大手ボーイング社ですが、現役社員のエンジニアが、議会の公聴会に出席し航空機製造の安全性に問題があると事を告発しました。
17日水曜日、ボーイング社の現役エンジニアが上院委員会に召喚されました。
サム・サレプール氏「私はここに来たくて来た訳ではありません。議会に出て実情を説明しなければならないと感じたからです」
10年以上ボーイング社に勤めるサレプール氏は、ボーイング787ドリームライナーの組み立てが不適切だとし、時間とともに不具合が発生する可能性があると主張しています。
サレプール氏は、以前からボーイング社が時間と費用を節約するために機体の接合部分の隙間を埋めずに、製造を簡略化したと非難しました。
サム・サレプール氏「ボーイング社は、生産の遅延・供給不足への対応から機体の隙間を隠すため部品に過度な圧力で押し合わせ、隙間を見えなくしました」
しかしサレプール氏はこの主張を裏付ける文書を提供していません。ボーイングは彼の話は「不正確」だと反論、787の安全性と耐久性に「十分に自信を持っている」と答えています。
今週ボーイング社は、サウスカロライナ州の工場内にメディアを招き、ボーイングがどのように機体をテストし、16万5,000回の飛行を一つの問題もなくシミュレーションできたかを説明しました。
ボーイング社副社長スティーブ・チザム氏:「過去に実施された民間航空機の中で最も長いテストの成功例です」
FAA・連邦航空局では、数年前にこの問題が最初に提起された時にボーイング機の製造品質を審査し承認していますが、今回サレプール氏の主張についての新たな調査を開始しています。
専門家は、告発には疑問も残っていると指摘します。
航空業専門家・ジョン・ナンス氏「内部告発は重要です。しかし話が混同しているのを聞くと、彼の主張自体に疑問も湧いてきます」
サレプール氏は、ボーイング社が彼の告発後に圧力をかけたとも主張していますが、ボーイング側はその事実を否定。従業員に、あらゆる問題について声を上げるよう奨励していると述べています。