去年から増加の一途をたどるメキシコとの国境に接する南部の州からの移民移送問題。移民の受け入れを容認してきたニューヨーク市でも、この事態に規制を強化していますが、その網をすり抜け、移民の流入は止まりません。
ニューヨーク市のアダムズ市長は、国境を越えやってくる移民をニューヨークへ運ぶバスに対し、最低32時間前までに、市に通知するよう求める命令を出しましたが、テキサス州やルイジアナ州などから移送されてくる移民らは、ニューヨーク市近郊の都市の駅で一旦下車し、その後、通勤電車など公共交通機関で市内に入るという手段でこの規制の網をすり抜けています。
同様の規制を設けたシカゴ市でもシカゴ市中心部からおよそ130キロの距離にある飛行場におよそ350人の移民を乗せた旅客機が到着し、移民たちはここから公共交通機関を使い市内に入ってきています。彼らはこの公共交通機関の運賃も支給されているということです。
ニューヨーク市のアダムス市長は、移民を移送し続けるテキサス州のアボット知事を強く非難しています。
ニューヨーク市エリック・アダムス市長「これはニューヨークだけの問題ではありませんどの都市もこういった混乱は歓迎しておらず、市の機能が維持できません」
税関当局の調べでは、去年の12月一ヶ月で国境をこえた移民は、およそ30万2000人に達し、9月の記録を大きく上回りました。
テキサス州のアボット知事など、国境沿いの州の知事らは、移民の流入が制限されない限り、受け入れを容認する、いわゆる"聖域都市"に移民を送り続ける、と述べています。
移民問題はニューヨークのみならず、ロサンゼルス、シカゴなど都市部では、切迫した社会問題と化していて移民問題に寛容なバイデン政権が、いつまでもこの問題を放置しておけば、国民の支持を大きく損なう恐れがあります。