移民を巡る裁判で、最高裁判事らの判断が二転三転しています。
19日、最高裁判所は、不法移民の逮捕や州外への強制移送を可能としたテキサス州法の再施行を認めましたが、その数時間後に、この判断が差し止めになりました。
19日火曜日、政府が違憲を申し立て、係争中は法の執行が停止されていた移民に対するテキサス州法の再施行を認めた最高裁判所の判断に対して、決定の数時間後に、連邦控訴審がこの判断を棄却し、州法の再施行を差し止めました。
グレッグ・アボット・テキサス州知事「私たちは自分の州を守る権利がある。その権利を元に私たち自身がこの侵略と戦う」
去年11月にテキサス州のアボット知事が署名して成立したこの州法は、テキサス州を越境して入った移民に対して、地元警察が逮捕や強制送還などを可能にする法律です。
バイデン政権は、州に移民を制限する権限はないと訴え、係争中は施行を差し止めるよう最高裁に要求していました。
今回、最高裁判所ではこの差し止めの停止を決定しましたが、リベラル派の3人の最高裁判事が反対などもあり再度審議を行うまで、差し止めを継続する事になりました。
連邦控訴審プリシラ・リッチマン判事(声)「私の知る限り、州が不法移民の排除の権利を求めた法律は他に例がなく、歴史的に見ても州にその権限はありません」
テキサス州の警察当局などでは、移民対策が政府機関の管理下に置かれることに困惑しています。
エルパソ警察移民担当指揮官「役人は移民管理の訓練ができてないし、私たち警察は移民法には明るくありません。
双方の人員全てに重荷です」州法の執行が差し止めになる前の12月には、1日平均1万1,000人近くだった西部国境を越える不法移民は、現在、1日4,200人ほどに減少しています。