コロラド州で、4年前の母の日に行方不明となり、その後遺体が発見された女性の死について、死因は毒殺であったと地元警察が発表しました。
この事件で、当時被害者の夫が殺人罪で訴追されましたが裁判は行われず、事件は未解決の状態でした。
コロラド州のスザンヌ・モーヒューさん(当時49歳)の死について遺体を解剖した検死の新事実が明らかになりました。
検死局は、「被害者の骨から動物用の麻酔剤と一致する物質」が発見され、「これは野生動物用の麻酔銃の薬物に含まれている」と指摘しました。
スザンヌさんは、2020年の母の日に、郊外に自転車乗りに出かけ、失踪しました。
警察は、夫バリー・モーヒューさんを第一級殺人と証拠改ざんの罪で逮捕、訴追に踏み切りました。2021年の捜査書類では、自宅の洗濯用乾燥機からシーツで隠した麻酔銃の針が発見され、バリーさんは、麻酔銃で鹿を撃ち薬品を処分したと供述しています。
検察は状況証拠だけで起訴しましたが、裁判は直前で取り下げられました。
ABCニュースでは、去年、娘2人と共にバリーさんの独占インタビューを行いました。
ABCニュースエリエル・レシェフ記者「この裁判は、再審理可能の取り下げです。つまり検察が新証拠などを出せば、再び裁判が開かれる可能性があります。それを恐れていますか?」
バリー・モーヒュー「私は無実で逮捕されました。再審の可能性があるのは知っていますが、何も心配していません。私は何もしていません」
インタビュー直後の2023年9月、当局はスザンヌさんの遺体の一部を墓地から掘り出しました。
ABCニュースエリエル・レシェフ記者「あなたは妻の失踪に関わっていましたか?」
バリー・モーヒュー「全くありません」
多くの謎に包まれた事件ですが、当時、検察側が状況証拠のみで起訴に踏み切り、裁判官が裁判を条件付きで取り下げるという、異例の展開となっていました。
今回検察側は、科学的な証拠を元に裁判の再開を要求すると見られています。