アリゾナ州の最高裁が、ほぼ全ての人工妊娠中絶法を禁止する160年前に書かれた州法について、現在も効力があると認める判断を下し波紋が広がっています。
9日(火曜日)アリゾナ州最高裁は1864年、160年前に作られた法律を認める判断を下しました。この法律は、妊娠の期間にかかわらず母体の保護以外を目的とする全ての人工妊娠中絶を禁止するとし、レイプ、近親相姦などの例外は認めていません。
手術を施した者には5年間の実刑を課すとしています。
人工妊娠中絶反対派は、この判断を歓迎していますが民主党のアリゾナ州知事は怒りをあらわにしています。
ケイティ・ホブスアリゾナ州知事「この中絶禁止の法律は、南北戦争時代に作られたもので州内と州外の女性と医師は大混乱になる」
裁判所は14日間以上の猶予などを与えたことから病院などは、このまま行けば5月ごろにはアリゾナ州で中絶手術ができなると考えています。
アメリカでは2年前に人工妊娠中絶の権利を保障した連邦最高裁の判断が覆され、その後は保守的な州が次々と厳しい中絶法を再試行しています。こうした中で中絶支持派が訴えをおこし11月の大統領選挙で中絶の合法性について州民の意志を問うことを目指す州は14州となりました。
これまでの選挙で州民の意志を問うた6州では全て中絶支持派が勝利していることから民主党陣営は、次の選挙でも中絶が選挙の議題になることで支持が増えることを期待しています。