2021年にミシガン州の高校で生徒4人を銃で殺害した少年の両親2人の裁判で、9日、火曜日、この両親に対して共に10から15年の禁錮刑が言い渡されました。
今年の2月から始まったこの裁判で、殺人犯の少年イーサン・クランブリー受刑者の両親、ジェームズとジェニファー・クランブリー被告に対して、息子の銃乱射事件を阻止できなかったとして被告それぞれに、最長10から15年の禁錮刑が言い渡されました。
オークランド郡裁判所シェリル・マシューズ判事「この有罪判決は子育ての劣悪さに関するものではありません。子供の暴走を止めるための行為を何度も怠り何もしなかった事に対する罪への判決です」
裁判で証拠として公開された映像では、事件当日の朝に、両親がイーサンに銃を買い与え、その使い方を教える姿が捉えられています。
学校側から両親に対して、イーサンの銃撃を示唆する危険な落書きについて連絡があり、家に連れ帰るよう注意を受けたその日に、両親は銃を与えました。
量刑が下される前、犠牲者4人の親たちが、子供を失った悲しみを被告に向かって述べました。
マディソンさんの母「あなた方が親の責任から逃げていた間、私は親として最も酷い事を娘にする羽目になった。娘マディソンに別れを告げることよ」
テートさんの父「この悲劇は家族にとって信じられない程の代償となったんだ」
9日に初めて2人で被告席に並んだ両親は、遺族らに謝罪しながらも、自分たちの罪について寛大な処置を求めました。
ジェームズ被告「私たちが心から謝罪をしている事を知って下さい私の息子の行為の結果ついては本当に申し訳ない」
ジェニファー・クランブリー「犠牲者の親たちも私と同じ立場になったかも知れません。イーサンはあなたの子供かもしれません」
検察側は、被告らの言葉は、親としての責任感が完全に欠如していると強く非難しました。
カレン・マクドナルド、オークランド郡検察官「子供に対して全く何もしなかった被告らは、この場においてもまだ、自分は被害者だと主張しています」
裁判官は、2人の犯罪は、社会的にも重大な影響を及ぼしたため、州のガイドラインを超えた重い判決を下すことを決定したと述べました。
オークランド郡裁判所シェリル・マシューズ判事「被告らの『子供へのネグレクト』は、結果として銃撃事件を引き起こし、何百人もの人々に想像を絶する苦しみを与えました。」
学校での銃撃事件を起こした子供の親への刑事責任を裁判所が認めたのは、今回のケースが初めてであり増加する低年齢の銃犯罪の抑止に繋がるのか、全米が注目した裁判となりました。