非常に強い雨風を伴った広い範囲の暴風雨が西海岸からアメリカ全土を東に移動して各地に被害をもたらしています。
先週末、西海岸では長時間の大雨と暴風が続き住宅地などでは倒木などの被害が出、また都市部や幹線道路などでは、浸水や土砂崩れなどを引き起こしました。
ハイウェイでは、大雨によるスリップ事故などが多発。道路は視界も悪く、事故で停車した車に後続のトラックが追突するなどの二重事故も起こりました。
幸いこの事故でケガ人は報告されていません。
この暴風雨の雲は、ロッキー山脈の麓では、大雪を降らせ、走行する車はチェーンを装着したり、車を置いて救助を求めるなどの被害が出ました。
月曜日には、暴風雨がテキサス南部から中部に移動。勢力がさらに強くなり、広い地域に竜巻や強風の注意報が出ました。
テキサス州の北部では、強烈な風と共にテニスボールほどの、大きな雹(ひょう)が降りました。
月曜日の夜から、オハイオ州やケンタッキー州などで、複数箇所で竜巻が発生。倉庫などの建物が倒壊するなどの被害が出ました。ケンタッキー州では、5段階で上から3つ目のレベルの竜巻が3つ確認され、知事が非常事態を宣言。
吹き荒れる暴風雨で、ケンタッキー大学のキャンパスでは、文字通り「人が吹き飛ばされる」映像が、SNSに投稿されました。
2日間で、テキサス州からオハイオ州までの9州で少なくとも20件の竜巻が発生
300件以上の家屋の被害が報告され、ケンタッキー州でこの暴風雨に関連して、1人が死亡しました。
暴風雨は強い勢力のまま東海岸地域に移動。ウエストバージニア州では、強風で広告用の鉄柱が根元から折れ駐車してあった車を直撃しました。
ペンシルベニア州では、強風で倒れた木が車に直撃、中にいた81歳の女性が死亡。
メリーランド州でも同様の事故で、車が破壊されましたが、中にいた3人は救出されました。
ニューヨークの都市部も被害に遭いました。ブロンクス地区では、街の街路樹が倒れ車を破壊、数カ所で通行止めになりました。
この地域では、3日水曜日は長時間、雨が降り、洪水や浸水などの被害も出ています。
全米を西から東に横断したこの大型暴風雨は、木曜日までに東海岸北部を抜けました。しかし雨や雪が多く降った地域では、川の氾濫などの警戒が呼び掛けられています。