ニューヨーク市住宅局の職員による汚職事件が発覚し、およそ70人の職員が一度に逮捕されるという前代未聞の事件が起こりました。
6日(火曜日)ダミアン・ウィリアムズニューヨーク州南部地区連邦検事は司法省史上、最大規模の収賄事件としてNYCHA(ナイチャ)と呼ばれるニューヨーク市住宅局のおよそ70人の職員逮捕を発表しました。
今回の摘発は、2013年から2023年まで職員が、市の所有するビルなどで修理や工事を請け負う業者からキックバックを受けていた汚職行為が対象です。
捜査当局によると逮捕されたのはビルの管理などを任されているスーパーと呼ばれる住宅局の職員と元職員で10年間で市が所有するビルなどで行われたおよそ1300万ドルにおよぶ工事などを依頼する代わりにおよそ200万ドルの賄賂を要求していたということです。
ニューヨーク市住宅局では1万ドル以上の工事については入札を行うことになっていますがそれ以下の水漏れや窓の修理など小規模は工事については入札を行わずビルのスーパーが業者の選択を任されています。
また、工事終了後もスーパーのサインがないと住宅局からの支払いが行われないため圧倒的な権力を持っていたと言えます。
スーパーが業者にキックバックを強要するのは日常的に行われていたとみられていて市が所有するビルのおよそ3分の1にあたる100棟近くのビルで行われていたとされています。
ダミアン・ウィリアムズニューヨーク州南部地区連邦検事「拒否すれば仕事を回してもらえなくなることから多くの業者は要求されるがままに支払っていたといました」
ニューヨーク市住宅局は全米で最も規模の大きい住宅局で市が所有するビルを管理し低所得者層と中所得者層およそ30万人に貸し出しています。
連邦政府から15億ドルの予算を受け取っています。
その予算は年々削減されていますが、賄賂や汚職スキャンダルが後を立たず、居住環境の悪化が問題視されています。