トランプ前大統領とバイデン大統領の大統領選挙での一騎打ちが本格化する中、トランプ氏が、自ら発した暴言が物議を醸しバイデン大統領を常に一歩リードしてきた世論調査にも影響が出てきています。
トランプ前大統領は、先週16日、土曜日、オハイオ州上院議員候補の応援演説で壇上に立ち、アメリカの自動車業界へのバイデン大統領の政策を過激な言葉で非難しました。
ドナルド・トランプ前大統領「もし私が当選しなければ、全てが「血の海」になるだろう、国中が「血の海」だ、最低でもそうなる」
移民を巡る問題でも差別的な言葉を口にしました。
ドナルド・トランプ前大統領「連中はトランプは非人道的だから投票するなと叫ぶが人道的とは人の為だろ?奴ら移民は野蛮な動物だ」
また、トランプ氏自身が発信するポッドキャストで、「民主党に投票するユダヤ系アメリカ人は、ユダヤ教を嫌いイスラエルの全てを嫌っている。それはイスラエルを破壊する行為で恥を知るべきだ」と発言し、民主党のみならず、ユダヤ系アメリカ人も非難しました。
これらの暴言に、アメリカメディアはトランプ氏に詰め寄り説明を求めました。
ドナルド・トランプ前大統領「我が国は急速に坂を転げ落ちている。今でも数百万の人々が国境を越えて来る。監獄や精神病院やテロリストの巣窟などから来る連中だ。我々が必要なのは強い人間だ、弱い人間は要らない」
以前は、こういった暴言の度にメディアへの露出が増え支持率も上がる傾向を見せていましたが、最近はこの戦法が支持の拡大に繋がりません。
「血の海」発言をした、オハイオ州での世論調査では、共和党の支持者の一部からも嫌煙されているというも嫌われる結果となっています。
ABCニュース政治担当リック・クレイン記者「オハイオ州共和党支持の5人に1人、およそ19%が11月にトランプ氏に投票しないと答えています。激戦のオハイオ州では大きな数字です」
トランプ氏は、「血の海」という表現は、アメリカ自動車業界が悲惨な状況の比喩だと説明していますが、演説を聞いた人の中には、「議会襲撃事件を想起させる」という声もあります。
いずれにしても、暴言や過激発言を並べて、人々の注目を集める戦法が今回ばかりは裏目に出ているようです。