コロナ禍のニューヨークでリーダシップを発揮し、一時は大統領候補とも言われたクオモ州知事がセクハラで引責辞任です。
10日火曜日、クオモ知事は会見で、2週間後の8月24日に辞任する意向を表明しました。今月3日には、11人の女性に対するクオモ氏のセクハラ疑惑を捜査していた州司法長官が、セクハラ行為があったことを認定する報告書を発表し、バイデン大統領を含め、有力民主党議員らからもクオモ氏の辞任を求める声が高まっていました。
州議会で知事の弾劾裁判の手続きを進める動きが加速する中、週末に長年の側近が辞職し、孤立無援の状況に陥っていました。後任にはキャシー・ホークル副知事が就き、女性初のニューヨーク州知事となります。
2011年から10年にわたり知事を務め、来年の選挙で4期目を狙っていたクオモ氏ですが、あまりにも不名誉な失脚となりました。意図的なセクハラ行為を全面的に否定し、戦う姿勢を崩していなかったクオモ氏ですが、ここにきて辞任を表明した背景には、州議会で弾劾が成立すれば、今後、州内の選挙に出馬できなくなる可能性もあり、返り咲きを狙う戦略と見られています。
専門家は政治家としての信頼を取り戻すには、時間がかかるだろうとする一方で、来年の知事選に再び出馬する可能性もゼロではないとしています。その知事選の有力候補と言われているのが、セクハラ認定を発表したジェームズ州司法長官で、来年の知事選への動きも目が離せない状況です。