政治的に重大な問題が山積する中、議会下院では、史上初の解任動機の可決で下院議長が空席のまま1週間を超えました。
共和党は、11日に党内での候補者を1本化、しかし下院本会議での投票はまだ行われていません。
下院共和党は11日水曜日、先週解任されたマッカーシー氏の後任として次期下院議長候補にスティーブ・スカリス院内総務(58)を選出しました。
先週から共和党では、下院ナンバー2のスカリス院内総務と、トランプ前大統領からの支持を受けたジム・ジョーダン下院司法委員長の2人が立候補を宣言しており、党内での候補選びの会合が連日行われていました。
11日に行われた党内の投票で、スカリス氏が113票、ジョーダン氏の99票を上回り、正式な党候補となりました。その後、11日午後3時に、民主共和両党の下院本会議で投票が行われる予定でしたが、共和党内でスカリス氏不支持の票があり必要な217票に届かないと見て見送られました。
スカリス氏は記者団に対し「結束するために努力している」と語っていて共和党内での残りの票を集めるため、造反議員の説得を続けています。
共和党ナンバー2のスティーブ・スカリス院内総務は、ルイジアナ州選出で、1995年に州下院議員に当選後、2008年から国政の下院議員を続けるベテラン政治家です。
スカリス氏は、2017年にワシントンDC近郊で議員らが参加する野球チームの試合中に、銃撃を受け重傷を負った経験があり、今年には、血液ガンを患っていることも明らかになり、一部の共和党員は、スカリス氏がリーダーという過酷な任務に耐えられるのか疑問だ、とする意見も出ています。
スカリス氏は、造反した議員の支持を取り付けるため、トランプ前大統領とも協議をしていると言われていますが、今のところ過半数を満たす票を得ておらず、本会議での投票も未定のままです。