きのう、民主党のジョー・バイデン氏が第46代大統領に正式に就任しました。
20日水曜日午前、ワシントンDCで大統領就任式が行われました。 バイデン新大統領は78歳、歴代大統領では最高齢となります。新型コロナウイルスの感染拡大、経済格差、社会の分断など、難しい局面でのリーダーシップが求められます。
2週間前に暴動があった議事堂での就任演説で、 バイデン大統領は改めて国民に結束を呼びかけました。 バイデン大統領「分断を終えるときだ。共和党と民主党、地方と都市、保守とリベラル、お互いに心を開けば分かり合える。意見の違いで分断してはいけない。全ての国民のための大統領になると誓う。」
カマラ・ハリス氏は、初の女性、黒人、そしてアジア系の副大統領に就任しました。夫ダグ・エムホフ氏は、初のセカンドジェントルマンとなりました。
式典には、オバマ氏、ブッシュ氏、クリントン氏の歴代大統領が出席。国歌斉唱は歌手のレディーガガさんがつとめました。 式典にペンス前副大統領は出席しましたが、トランプ前大統領は欠席。 前大統領が不在の就任式は約150年ぶりです。2万5000人の州兵による厳戒態勢がしかれ、参加者はマスクを着用、観衆はなし、新旧大統領が顔を揃えない、 異例づくしの式典となりました。
午後、ホワイトハウスへのパレードは沿道に観衆を入れずに行われ、到着する直前、バイデン大統領は車から降り、徒歩でホワイトハウスに入りました。これまでにないレベルの警備の中行われた就任式で、パレードの最後にバイデン大統領が車から出るかどうかは、最後まで議論されたということです。
ホワイトハウスに入ったバイデン大統領はすぐに執務に入り、 地球温暖化防止の国際的な枠組み「パリ協定」への復帰など、17の大統領令に署名。前トランプ政権の政策の一部を覆しました。
一方、トランプ前大統領は就任式を前に、20日午前中にホワイトハウスを去りました。ワシントンDC郊外の空軍基地で退任の式典が行われ、家族と支持者を前に演説しました。トランプ前大統領「私たちは素晴らしいことを成し遂げた。君たちのおかげだ。さようなら、ありがとう、何らかの形で戻ってくる。」
トランプ氏は、このあと、大統領専用機での最後のフライトで、フロリダ州へと向かいました。任期終了直前、トランプ氏は、元側近のスティーブ・バノン元首席 戦略官など合わせて143人に対し、恩赦や減刑を実施したと発表しました。しかし、論争を呼んでいたトランプ氏自身や、家族への恩赦はありませんでした。
多くの慣例を無視したトランプ氏ですが、前大統領が新大統領に宛ててホワイトハウスに手紙を残すしきたりは守ったということです。この手紙の内容について、バイデン大統領はトランプ氏本人と話すまで公開しないとしながらも、寛大な内容だったとしています。
そして、上院ではトランプ前大統領の弾劾裁判が始まる予定で、バイデン政権の滑り出しとの両立が課題になると見られています。