タイリー・ニコルズさん暴行死亡事件を受け、警察の改革を求める抗議デモが各地で行われました。そうした中、警察の当初の報告と事実が異なることが明らかになり、批判は高まるばかりです。
暴行に関与した警察官のボディカメラ映像と防犯カメラ映像が公開され、警察の対応を非難する抗議デモが各地で行われました。ニコルズさんの暴行死亡事件に関与した警察官は、メンフィス警察で犯罪多発地帯の取り締まりを専門とする部隊「スコーピオン」に所属していました。先月28日日曜日、メンフィス警察はこの部隊の解散を発表しました。ニコルズさん遺族の弁護士は「スコーピオン部隊は集中的な犯罪対策と称し、悪質な暴力行為を繰り返していました。」と語りました。
専門家は、国内に1万8000ある警察機関の訓練には一貫性がなく内容が時代遅れだとして、より良いツールや規定が必要だと指摘しています。元FBI捜査官は「監督係を配置し現場で介入させ、状況を鎮静化する訓練が必要です。」と語りました。
そうした中、事件数時間後に出された 最初の警察の報告書とボディカメラや防犯カメラ映像の内容に矛盾があることが明らかになりました。報告書には、スピード違反で危険な運転をしていた車を止めると、不自然に汗をかいていたニコルズさんが激怒し、警察に抵抗したと書かれていましたが、ボディカメラの映像では、ニコルズさんは車から引きずりだされ、落ち着いて警察に従い、拘束されていました。メンフィス警察は報告書の内容が映像で確認できなかったとしています。メンフィス警察署長は「そもそもなぜニコルズさんの車を止めたのか疑問です。様々なビデオを見ましたが、危険な運転は確認できませんでした。」と語りました。また、暴行に関しても、報告書では1人の警察官がニコルズさんを棒で右腕を数回殴ったとありましたが、実際には警棒で胸部を少なくとも3回殴り、頭を殴打していました。