オハイオ州の人口約5000人の村イースト・パレスティンで、有害な化学物質を大量に積んだ貨物列車が脱線炎上した事故が起きました。事故から5日目の8日水曜日、ようやく住民の避難命令が解除されました。
オハイオ州で3日金曜日夜9時ごろ、イリノイ州からペンシルベニア州に向かっていた141両編成の貨物列車の事故で約50両が脱線し、化学物質を積んだ一部のタンク車が爆発・炎上しました。脱線した車両のうち5両には、プラスチックの製造に使う有毒な化学物質で可燃性の高い塩化ビニルが積まれており、オハイオ州のマイク・デワイン知事は非常事態を宣言。半径1マイルの住民およそ2000人に避難勧告を出しました。塩化ビニルにさらされると短期間でも目、鼻、喉、肺の炎症を引き起こし、長期の場合は肝臓や腎臓に慢性的な疾患をもたらす危険が指摘されています。避難した住民「キノコ雲だ 他に言いようがない。」と語りました。
事故から3日目の6日月曜日になっても有毒な物質を含む黒煙は立ち上り、さらに爆発する危険があるとして、タンク車に穴をあけて中身を放出する作業が行われました。危険物係地域責任者は「流れ出た化学物質は引火して燃え、タンク車の中で膨張して爆発するのを防げる。」と会見で語りました。これに伴い、避難命令の対象区域が、ペンシルベニア州をまたいだ半径2マイルに拡大されました。オハイオ州 マイク・デワイン知事は「赤い地域でまだ避難していない人は、死の危険にさらされている。」と会見で語りました。
周辺地域には化学物質の異臭が充満していたといいます。避難した村の住民は「1マイル以上離れたところでもひどい異臭でした。」と語りました。いまのところ怪我人などは出ていません。8日水曜日に周辺の空気と水の安全が確認できたとして避難命令が解除されました。