バイデン政権による学費ローンの返済を一部免除する措置をめぐる訴訟で、連邦最高裁が口頭弁論を行いました。
先月28日火曜日、連邦最高裁の前には、学費ローンの一部免除を支持する人々が集まりました。支持する人の1人は「給料の良い仕事に就くために大学に行っても、多大な負債を抱えて苦しみます。」と語りました。
アメリカでは、成人の6人に1人が学費ローンを抱えており、債務総額は1兆6000億ドルに上ります。去年8月にバイデン政権は、学費ローンの一部返済免除措置を発表しました。年収12万5000ドル未満の場合は最大1万ドル、低所得者向けの奨学金を利用している場合は最大2万ドルが免除されるというもので、費用は4000億ドルに上ると試算されています。対象者は約4500万人、すでに2600万人が申請しています。
この学費ローンの返済免除措置をめぐり、共和党が地盤の6州と学費ローンを借りていて返済免除の対象になっていない個人2人が政権を相手取り、措置の差し止めを求めて提訴していました。28日火曜日、この2件の訴訟について最高裁で口頭弁論が開かれ、保守派判事は、返済の免除措置が政権の権限を越えている可能性について言及しました。ジョン・ロバーツ最高裁長官は「多額の費用がかかり、多くの人の債務に影響し、大きな論争にもなっている場合は議会が決めるべき事例と考えます。」と語りました。
去年8月に行われた世論調査では、半数以上の人が学費ローンの一部返済免除を支持すると回答しています。最高裁の9人の裁判官のうち、保守派が6人をしめる現在の状況では、一部返済免除は支持されない可能性が高いとされています。最高裁の判決は、6月下旬に下される見通しです。学費ローンもそうですが、アメリカの大学の学費の高さも問題視されてもよいのではないでしょうか。