旅客機内で乗客が暴れて客室乗務員に暴行を加える事件が起きました。アメリカ国内での度重なる航空機トラブルが問題となっています。
5日日曜日、ロサンゼルス発 ボストン行きのユナイテッド航空の旅客機内で、着陸の約45分前にフランシスコ・トレス容疑者33歳が大声で叫び始めました。容疑者は「全員を殺してやる 」と言いました。機内で非常口のある席に座っていたトレス容疑者は、騒ぎ出す前に非常口のドアを開けようとしたということです。 ABCニュース航空関連解説者は「非常口は頑丈に施錠されている上に、空気圧で飛行中に開けることはできません。しかし、乗客が触れたりすることは、全員の命を危険にさらす危険な行為です。」と語りました。
トレス容疑者は「この飛行機を乗っ取る! 」と言い、事前にトイレで折って先端を尖らせておいた金属製のスプーンを持って客室乗務員に向かっていきました。捜査当局によると、トレス容疑者は客室乗務員の首を3回にわたりそのスプーンで刺そうとしたということです。乗客と乗務員が一斉にトレス容疑者を止めにかかり、ボストンに到着するまでの30分間、床に押さえつけたということです。容疑者はボストンのローガン国際空港で逮捕されました。
同じく5日曜日、キューバ発フロリダ行きのサウスウエスト航空で飛行中、エンジンに複数の鳥が衝突するバードストライクがありました。機内に煙が充満し一時騒然としました。けが人はなく、旅客機はハバナのホセ・マルティ国際空港に戻り緊急着陸しました。乗客は主翼の上に乗ったり、緊急脱出スライドで機内から脱出しました
また6日月曜日の午前中、ボストンのローガン国際空港で、離陸準備に入っていたユナイテッド航空の旅客機2機の主翼が接触する事故が発生しまた。ケガ人はいませんでした。
さらに、この日、テキサス州ダラス・ラブフィールド空港からアリゾナ州フェニックスに出発する準備を進めていたサウスウエスト航空の旅客機内で、男性の乗客2人が殴り合いの喧嘩になり、周囲の乗客が止めに入る騒動となりました。他の乗客を殴った乗客は「家族と一緒いた私にあいつが攻撃的に近寄ってきたんだ。みんなに説明しと!」と言いました。喧嘩をした男性2人は飛行機から降ろされましたが、逮捕者は出ていないということです。
度重なる航空機をめぐる問題について、ABCニュースの記者がFAA連邦航空局のビリー・ノレン長官代理にききました。ABCニュース記者の「ここ最近でニアミスだけでも6件発生し国民は不安に感じていますが、FAAは状況を把握しているのでしょうか。」と言う質問に、ビリー・ノレンFAA長官代理は「しっかり把握していて毎日検証しています。このシステムは強く安全で回復力があり、世界で最も複雑な領空システムを運営しています。」と答えました。
度重なるトラブルを受けてFAA連邦航空局は15日水曜日に安全サミットを開催し、現在の航空業界の安全対策の見直しを図る専門家チームを立ち上げるということです。