メディケイド、低所得者向けの医療保険制度について、パンデミック中に実施されていた保護制度が失効したため、1500万人が保険適用から外される可能性がでてきています。
パンデミック中、メディケイド・低所得者医療保険制度について、3年間は再申請することなく加入し続けることを可能にした緊急保護制度が失効したことで、約1500万人がメディケイドの加入資格を失う可能性がでてきています。メディケイドと児童医療保険プログラムは、パンデミック前の加入者数は7000万人だったのが、9000万人に膨れ上がっていました。健康保険専門家は「州政府はメディケイドの登録者を見直し、資格があるか再検討します。たとえ条件を満たしていても多くの人が資格を失うでしょう。」と語りました。
アーカンソー州に住む62歳の男性は加入資格を失う可能性があり「まるで悪夢だ。食べ物を買うか薬を買うかを選ばなければいけなくなる。」と語りました。
4月からすでに5つの州でメディケイド加入資格の取り消しを始めています。(アイダホ州、サウスダコタ州、アリゾナ州、アーカンソー州、ニューハンプシャー州)5月からは16州が資格取り消しをはじめ、そのほかの州は10月までに段階的に行う予定です。健康保険専門家は「10年以上前に導入されたオバマケア以来の大規模な改変です。」と語りました。
保健福祉省は子供や若者、そして黒人やラテン系の国民が特に大きく影響を受ける恐れがあるとしています。脳性麻痺の子供を抱える母親は「まだ何も連絡がない。メディケイドがなければこの子は生きてられません。」と語りました。
パンデミックが収まり、収入が増えたにもかかわらずメディケイドに加入し続けている人などを割り出すための作業ではあるものの、条件を満たしていても加入資格を失う可能性があるなど、不明確な点もあります。そうした人たちは3年ぶりの再申請を強いられ、手間取る人も少なくないとされています。メディケイドの加入条件は州ごとに異なります。今後の加入資格について、それぞれの州の保険当局に問い合わせることが勧められています。また州から再申請などを求める手紙がくる場合があり、これを見落とすと資格を失う可能性があるので、登録している住所を最新のものにし、郵便物に注意するよう呼びかけられています。