プラスチックなどを扱うリサイクル施設で大規模な火災が発生し、黒煙に有毒物質が含まれている可能性があることから付近の住民が避難を強いられました。消火活動を行なっていた消防士1人がケガをしました。
インディアナ州のリサイクル施設で、11日(火曜日)の午後、発生した火災は瞬く間に施設全域に広がり、周辺の広い地域が黒煙と悪臭に包まれました。衛生写真を見ると煙の規模がいかに広いかがわかります。このリサイクル施設ではプラスチックなどを扱っており、燃えることで有害物質が発生している可能性があるため、2000人以上の周辺住民に避難命令が出されました。避難区域外の住民についても室内にとどまるよう勧めています。住民は「家の中に閉じこもり、窓を閉めて、空調を止めています。」と語りました。
火災は敷地内にあった大型トレーラーから出た火が、燃え広がったと見られています。大型トレーラーが燃えた原因はまだわかっていません。実はこの施設は、火災を引き起こす危険があるとして、以前から度々警告を受けていたといいます。衛星写真を見ると、施設に大量に放置された プラスチックが年々増えていくのがわかります。リッチモンドのデビッド・スノウ市長は「火災の危険があると知っていた。こうならないよう事業主に対し様々な対策をとっていた。」と語りました。プラスチックを処理するよう、市が度々要請したにもかかわらず、事業主は応じなかったといいます。
燃えているプラスチックの素材などはわかっておらず、火は数日間燃え続けました。保健当局は、煙を吸い込むと目の痛み、胸のしめつけ、気管支炎、喘息の症状悪化の原因になると警告しています。リッチモンド消防署のティム・ブラウン署長は「空気の検査結果が出るまで、住民がいつ家に戻れるか分かりません。」と語りました。EPA環境保護庁とインディアナ州の保健当局が共同で、現場周辺の空気環境測定を行なっていますが、長期的な健康被害など影響が心配されています。