ニューヨーク州で、訪問先を間違えて、車で別の家の敷地に入った女性が、住人に銃で撃たれて死亡しました。
15日土曜日夜10時ごろ、ニューヨーク州の郊外、ヘブロンで、友人の家と間違えて車で侵入した家の敷地で、ケイリン・ギリスさん20歳が銃で撃たれて死亡しました。住人のケビン・モナハン65歳が、第2級殺人罪で訴追されました。ワシントン郡保安官は「モナハン容疑者が恐れるようなことは何も起きていません。」と語りました。
警察によるとギリスさんは6人の仲間と一緒に、車2台とバイク1台で友人の家に向かっていたところ、誤って別の家の敷地に侵入。間違えに気づき、Uターンをして引き返そうとしたところ、ポーチに出てきたモナハン容疑者が銃を2発発砲し、車の助手席に座っていたギリスさんにあたったということです。このとき車からは、誰も降りていませんでした。
ギリスさんの父親は「娘は生き物が好きで、海洋生物学者か獣医になるのが夢でした。あの男が私たちから娘を奪った。」と会見で語りました。近隣住民によると、モナハン容疑者は不法侵入を警戒し、鎖で敷地を塞ぐこともあったということです。
アメリカでは正当防衛の法律を強力にしたStand your ground lawというのがあります。Stand your ground とは「ひるまず、逃げない」という意味で、自分の身に危険を感じた場合、最初の手段として殺傷能力のある武器、すなわち銃で相手を攻撃する権利があるというものです。このとき逃げるなど、他の方法を模索する義務はないということで、Shoot First law、まずは撃て法とも呼ばれています。少なくとも全米28の州がこの法律を何らかの形で取り入れています。今回の全ての事件で容疑者にこの法律であてはまるかどうかは、今後の裁判の行方に任されることになります。