今年に入って銀行の破綻が相次ぐ中、FRB連邦準備制度理事会は政策金利を0.25%引き上げることを発表しました。
3日水曜日、FRB連邦準備制度理事会のジェローム・パウエル議長は「FRBは政策金利を0.25%引き上げることを決定しました。去年から合計5%の利上げを行い、2%のインフレ率に戻すことが目的です。」と会見で語り、インフレ抑制のため、政策金利を0.25%引き上げ、5%から5.25%の幅にすることを決定したと発表しました。利上げは去年3月から10回連続となります。
今年に入ってシリコンバレーバンク、シグネ チャーバンク、そして、1日月曜日にはファースト・リパブリック・バンクの3行が破綻しました。ファースト・リパブリック・バンクに至っては、アメリカ史上2番目に 大規模な銀行破綻で急激な利上げによる銀行への負担が懸念されていました。パウエル議長は会見で、「現在の銀行の体制は健全で、強い回復力がある」と強調しました。今回、0.25%の利上げに踏み切る一方、今後については、状況が変われば方針を変えていく準備はできていると述べ、利上げを一時停止する可能性も示唆しました。
消費者にとっては、お金を借りるための利子が上がることになります。住宅や車のローンなどへの影響は避けられません。クレジットカードの利息はすでに史上最高の20%となり、さらに上がり続けると専門家は見ています。物価の上昇は和らいではいるものの、日々使う食材の値段は去年とくらべて8.4%上昇しています。また、一般的な家庭で1ヶ月の生活費は、去年とくらべて313ドル余分にかかっています。FRBは、今後もインフレの抑制と銀行などへの影響を考慮しながら難しい舵取りを迫られることになります。