5日水曜日、家庭用フィットネス機器メーカーのペロトン・インタラクティブが、安全上の問題があるとし、ランニングマシン2機種のリコールを発表しました。
リコールの対象は、アメリカで販売されたランニングマシン「トレッドププラス」12万5000台と「トレッド」1050台です。先月17日、アメリカ消費者製品安全委員会は、子供やペットのいる家庭に対し「トレッドププラス」の使用を停止するよう警告していました。その時に公開されたビデオには、2歳の男の子がペロトン社製のランニングマシンの近くでボールで遊んでいたところ、ボールとともに体が巻き込まれ、200キロ以上あるランニングマシンの下敷きになる様子が映し出されています。幸い、男の子は自力で脱出しました。トレッドプラスについては4月半ばまでに39件の事故が報告されています。うち24件は子供が関係しており、6歳の子供1人が死亡しています。消費者製品安全委員会「これまで下に巻き込まれることはありませんでした。人、子供、物が下に巻き込まれる事故が39件も起きています。」
ペロトンは、この警告に対し、不正確で誤解を招くと反論し、使用上の注意に従い、16歳未満の子供やペットを近づけなければ、安全上の問題はないとしていました。しかし、警告から半月がたった5日水曜日、ペロトンのCEOは声明を発表し、消費者製品安全委員会のリコール要請に応じなかったのは、間違いだったとし、謝罪しました。ペロトンはすべての所有者に、機器の使用停止を求めるとともに全額返金するとしています。
パンデミックによるジムの閉鎖を受けて需要が高まる中、フィットネス機器を使いながら自宅からインストラクターの指導が受けられるプログラムで、ペロトンは業界の最前線に躍り出ました。株価が急上昇した去年の最高値に比べ、終値で50%近くの下落となっています。アジア進出も計画していたペロトンですが、一歩遅れたリコールの発表を受け、安全性の確保とブランドイメージの回復が急務となりそうです。