選挙期間中から職歴や学歴などの経歴を詐称し、その後それを認めた共和党のジョージ・サントス下院議員が、詐欺やマネーロンダリングなどの罪で逮捕、起訴されました。
共和党のジョージ・サントス下院議員が詐欺、マネーロンダリング、公費の窃盗、下院での虚偽の証言など13の罪状で逮捕・起訴されました。10日水曜日、ニューヨーク州ロングアイランドの連邦地裁で罪状認否が行われ、出廷したサントス氏が全ての罪状で無罪を主張。保釈金50万ドルを支払い、保釈されました。裁判所には多くのメディアが集まりました。メディアを前にジョージ・サントス議員は「自分を守るために戦います。これは魔女狩りです。」と語りました。
検察は、サントス氏が選挙資金として集めた5万ドルを高級デザイナー服やクレジットカードの支払い、自身の借金の返済に流用したほか、現金を一部着服したとしています。また、検察はパンデミック中、サントス氏が不正に失業手当を申請したとしていて、下院議員に立候補中、投資会社からの収入がで年俸で12万ドルあったにもかかわらず、2万4000ドル以上の失業手当を受け取ったとしています。
裁判所前の会見でABCニュース記者は、サントス氏に「年俸12万ドルの仕事があったのになぜ失業手当を申請したのですか?」と質問、サントス氏は「私の見解ではその情報は正しくありません。パンデミック中の問題について疑いを晴らします。政府がどこから情報を得たのか分かりませんが、不明確でした。」と答えました。ABCニュース記者が「検察によると、失業手当を2万ドル以上受け取っていますがなぜですか?」とさらに質問すると、サントス氏は「パンデミック中に雇用状況は変わりました。政府の情報源は分かりませんが弁護していきます。」と答えました。
他に、サントス氏は議会に虚偽の情報を提供した罪にも問われています。開示した財務資料の中で給料や資産を水増しし、他の収入を伏せ、失業手当の受給を隠ぺいしたということです。ABCニュース記者が次の選挙も立候補するかと尋ねると、サントス氏は「はい」と答えました。
しかし、一部の共和党議員からは、辞任を求める声がでています。スティーブ・ウォーマック下院議員は「目ざわりです。共和党に不利なコメントばかりです。」と語りました。共和党のケビン・マッカーシー下院議長は、議席数を確保するため、辞任は求めていないものの、次の選挙への立候補はすべきではないと見解を示し、「サントス氏は立候補の他にやることがあるだろう」と語りました。
サントス議員は、経歴詐称については、ゴールドマン・サックスなどで働いていた職歴、大卒の学歴、祖母がホロコーストの生存者であることなど、全てすウソであったと認めています。起訴された罪状については無罪を主張していますが、有罪となっても議員を続けてはいけないという法律はありません。しかし、共和党のマッカーシー下院議長は、有罪となった場合は辞任を求める可能性があるとしています。