アメリカ版料理の鉄人にも出演していたセレブシェフのマリオ・バターリ氏が、性的暴行などの容疑で起訴されていた裁判で、バターリ氏に無罪が言い渡されました。
セレブシェフ、マリオ・バターリ氏は、2017年にボストンのバーで女性に対し性的暴行をしたとして起訴されていました。9日月曜日からマサチューセッツ州のボストン地方裁判所で行われていた裁判で、被害を訴えた女性が証言台に立ち、2017年にバターリ氏に写真を一緒に撮って欲しいと頼んだところ、体を触られたと語りました。 被害を訴えた女性は「胸や腰、脚の間を触られました。顔中を触られ、顔に口を近づけられ、耳をなめられました。」と証言しました。
一方、弁護側は、女性の友人が、バターリ氏から金をせしめるために話を誇張するよう提案したところ 、女性が「もちろん」と答えているテキストメッセージを証拠として提出しました。また、女性はバターリ氏との写真で1万ドルはもらいたいという内容のテキストを友人に送ったことを認めています。被害を訴えた女性は「1万ドルは何気なく言っただけです。セレブが問題を起こした場合はそういうものだと思っていました。」と証言しました。
これを受けて、ジェームズ・スタントン裁判官は「その日のバターリ氏が自らの栄光にうぬぼれていたのは確かだ。」と語りました。10日火曜日、裁判官は、バターリ氏の態度は悪かったとしながらも、被害を受けたとする女性の証言は信憑性に欠け、金銭目的であるとする弁護側の言い分を認め、無罪を言い渡しました。有罪であれば2年以上の実刑の可能性もあったということです。
バターリ氏は、この女性の他に少なくとも4人の女性からセクハラ被害を訴えられており、今後、民事裁判が行われることになります。今回は、被害を訴えた女性の言動でその証言内容が疑われたわけですが、女性の言動に問題があったとしても性的暴行がなかったわけではないとして、今後セクハラ被害者が表に出にくくなるのではないかと懸念する声も出ています。