来月初めにもアメリカがデフォルト(債務不履行)に陥る可能性があるとされる問題で、デフォルト回避のための債務上限引き上げを巡り与野党の調整が続いています。
アメリカでは、今年1月に政府の債務が法律で定められた上限に達していて、イエレン財務長官は、与野党の協議がまとまらず、 債務上限が引き上げられない場合、 早ければ来月1日にもアメリカ国債がデフォルトに陥る可能性があると警告しています。共和党のマッカーシー下院議長など議会幹部をホワイトハウスに呼び協議を続けてきたバイデン大統領は17日水曜日、超党派の交渉チームが合意に向けて懸命に取り組んでいるため、デフォルトになることはないと確信している、と語りました。
一方でマッカーシー下院議長は「バイデン・デフォルト」があるかどうかは大統領次第だ、として、合意に至るかはまだ不透明だとの姿勢を崩していません。マッカーシー下院議長は、共和党は債務上限引き上げと政府の支出削減のための法案を下院ですでに可決し、上院とホワイトハウスが動くのを待っていると強調しています。バイデン大統領は、フードスタンプやメディケイドのような特定の連邦給付について、より厳しい労働条件を求めるといったマッカーシー議長の要求のいくつかには賛成できないとしています。
デフォルトは経済的にも金融市場にも大惨事を引き起こす、と語るイエレン財務長官は議会幹部に対し、デフォルトは企業と消費者の経済への信頼を失い、アメリカに景気後退をもたらすことになるとして、一刻も早い合意を強く求めています。
G7サミット参加のため17日にアメリカを出発したバイデン大統領は、サミット後の外遊を見送り、21日日曜日にはホワイトハウスに戻る予定で、必要であれば協議を再開し、合意すれば速やかに署名するとしています。