消費者物価指数の伸びが予想を大幅に上回り、インフレ懸念が高まっています。
アメリカでは4月の消費者物価指数が、前の年の同じ月とくらべて4.2%上昇しました。 これは、およそ13年ぶりの大幅な伸びとなります。 エコノミストは「異常な需要の高まりに対し、供給は追い付いていない状況です。」と語りました。
パンデミックの影響で、様々な品物が不足したことから需要が高まりで食料品からガソリンまで、物価が高騰しています。4月の中古車 平均販売価格は、2万5000ドル以上で、過去最高となりました。材木の価格は 去年9月の3倍に膨れ上がり、これにより、全米の新築住宅 平均価格が3万6000ドル上昇しています。建築業者は「特定の材木は1週間で5~10ドル価格が上昇しました。異常です。」と語りました。
ある家族は、物価の上昇で 生活費を切り詰めているといいます。母親は「車で子供を川へ連れて行くこともできません。ガソリン代が高すぎます。家賃も食品も高額すぎます。」と語りました。
専門家の間では、経済が再開し労働者が仕事に戻れば、生産量が増えることで、価格も安定するだろうという見方が大勢です。FRB連邦準備制度理事会も賃貸住宅や医療などの分野では価格の上昇は見られないことから、現段階ではこれを一時的な現象と見ていて、金利を引き上げる予定はないとしています。その一方でインフレ懸念が広がればその不安心理の連鎖が長期的なインフレの引き金になりかねず、慎重に見守る必要があるとする専門家もいます。