アイオワ州でビルの一部が突然崩れました。少なくとも2人がビルの中に取り残されていると見られていますが、崩壊する危険があり、救助作業は難航しています。
先月28日日曜日午後5時ごろ、アイオワ州ダベンポートで、築116年の6階建居住用ビルの一部が突然崩れ落ちました。崩落直後、8人が現場から救助されましたが、3人と連絡が取れておらず、そのうち2人はまだビル内にいると見られています。災害救助犬、ドローン、体温を探知する熱画像装置などを使った捜索が行われましたが、生存者は見つからず、当局は30日火曜日にビルを解体すると発表しました。ダベンポート消防署長は「ビルには誰もいません。」と会見で語りました。
しかし、崩落から24時間以上が経過した29日月曜日の夜、4階の窓から住民のリサ・ブルックスさんが助けを求め、ハシゴ車で救助されました。ブルックスさんはビルの崩落直後、一度は外に逃げようとしましたが逃げられず、部屋のバスタブの中に避難していたということです。救助されたブルックスさんは「とにかく怖かった。もう子供にも孫にも会えないと思った。」と語りました。ダベンポートのマイク・マトソン市長は「なぜ生存者が見つからなかったのか、正直に言う、分からない。」と会見で語りました。
これを受けて住民らは、行方不明者の捜索を最後まで続けるよう求めています。ビルは不安定でいまにも崩れる可能性があり、市は、安全に捜索できる方法を模索しています。まだビルの中にいると見られるライアン・ヒッチコックさんの親戚は「ライアンは助からなかった自分のために、他人が命を危険にさらしてほしいとは思わない。」と会見で語りました。一方、もう一人 ビルの中にいるとみられるブランデン・コルビンさんの叔母は「きれいに洋服がかけられてるのがあの子の部屋よ。」とビルの前で語り、ABCニュース記者の「市はビルを解体すると言っていましたが」という質問に「埋葬しようとしてる 」と答えました。
以前このビルに住んでいた人によると、冷暖房や水回りのトラブルが常にあり、ビルの所有者に修理するよう頼んでも、修理してもらえることはほとんどなかったということです。ビル解体予定は延期されたままになっており、捜査当局はビル崩落の原因究明を急いでいます。