アメリカの債務不履行までの期限が5日月曜日に迫る中、議会下院で債務上限を引き上げる法案を可決しました。
先月31日水曜日、議会下院で債務上限を引き上げる法案が、賛成が314票、反対が117票の超党派で可決されました。法案は、2年間、国防費以外の歳出削減などを条件に、31兆4000億ドルに設定されている債務上限の適用を一時停止し、上限を引き上げる内容です。また、法案には未使用の新型コロナ救済金 300億ドルの撤回、IRS・内国歳入庁の予算のうち200億ドルを別の用途に振り分け、学生ローンの免除措置を今年8月に終了すること、食料支援の受給条件の厳格化などが含まれています。議会予算局は、この法案が成立すれば今後10年間で財政赤字が約1.5兆ドル削減できると試算しています。
アメリカの債務上限を巡っては、債務不履行を回避するために引き上げを求めるバイデン政権と歳出削減を求める共和党との対立が続いていました。バイデン大統領は、法案について「超党派の妥協」とし、労働者、家族、学生、退役軍人への支援を守ったとしました。一方、共和党のケビン・マッカーシー下院議長は、会見で「歴史に名を残す過去最大規模の歳出削減になる」と語り、法案通過の意義を強調しました。
上院では、法案の採決を前に共和党・民主党それぞれの上院院内総務が、超党派で速やかな通過を目指すよう議員に呼びかけました。共和党のミッチ・マコネル院内総務は「上院に法案がきたら支援する。」と語り、民主党のチャック・シューマー院内総務は「超党派で法案を速やかに大統領に送る。さもなくば史上初の債務不履行になる。」と語りました。法案は1日木曜日夜、上院で超党派で可決され、5日月曜日の期限を前に、ぎりぎりで債務不履行を回避しました。