連邦最高裁判所の判断を受け、郵送で受け取り可能な人工妊娠中絶の飲み薬への関心が高まっています。
人工妊娠中絶の飲み薬は妊娠10週目までに使用され、電話やビデオ通話による医師の診察が可能で、郵送で受け取ることができます。しかし、中絶が禁止されている州の住民がこの薬の処方箋をもらうためには、中絶が認められている州まで行かなければなりません。そうした人々を支援する団体もあります。支援団体リプロケアのモーガン・ラブさんは「ガソリン代や食費などを支援します。問い合わせが急増しました。」と語りました。
一方、中絶を禁止しているサウスダコタ州のクリスティ・ノーム知事は、中絶の医療提供者が電話やビデオ通話による診察を行うことを禁止するとしています。「電話診療で薬を受けとり、自宅で中絶することは危険です。」
中絶の飲み薬は、FDA食品医薬品局に承認されています。しかし、専門家は、今後は罪に問われる可能性があるといいます。ケイト・ショー弁護士は専門家の見解として「中絶薬を使用した女性が罪に問われる可能性はあります。」と語りました。
手軽さに加えてパンデミックの影響もあり、2020年には人工妊娠中絶全体の54%で中絶薬が使われました。 一方、今回の判決で保守派のクラレンス・トーマス最高裁判事が、避妊具の購入と使用の権利を認めた1965年の判断も再検討されるべきと言及したことから、大手ドラッグストアなどでは、プランB、モーニングアフターなどと呼ばれる性行為後5日以内に服用する妊娠を事前に防ぐ薬に人々が殺到し、購入制限が設けられる騒ぎとなりました。