先週、連邦最高裁判所が、大学の学費ローンについてなど市民の生活に大きくかかわる判断をたて続けに出しました。
先月30日金曜日、最高裁は、大学などの学費ローンの返済を一部免除するとしたバイデン大統領の政策について、無効とする判断を示しました。バイデン大統領は、去年8月、学費ローンの返済で困窮する人を救済する措置として、4300万人を対象に1人あたり最大2万ドルの返済を免除すると表明。政府の負担は4300億ドルに上ると試算されていました。
9人の裁判官のうち保守派6人がこれを違法とし、議会の承認を受けない大規模な返済免除措置は、政権の権限を逸脱するとしました。この判断について、最新の世論調査では、45%が支持すると回答し、不支持を上回りました。
ジョー・バイデン大統領は会見で「見せかけの希望を与えたのではない。共和党が希望をうばった。」と語りました。これにより、パンデミックで停止されていた返済は10月から再開されます。バイデン大統領は、最高裁の判断を受け、返済が遅れても最大12カ月間は、債務不履行やクレジット・ヒストリー、信用情報が損なわれることを回避する措置を発表しました。
また、コロラド州の女性ウェブデザイナーが、信仰上の理由で同性カップルへのサービス提供を拒否することの是非が争われた裁判で、最高裁は、サービスの拒否は憲法が保障する表現の自由にあたると判断しました。世論調査では43%がこれを支持しています。
29日木曜日に示された、大学のアファーマティブ・ アクション、積極的差別是正措置を違憲とする判断については52%が支持し、不支持の32%を大きく上回りました。
一方、世論調査では、最高裁が法律よりも派閥と政治的な見解に基づいて判断していると53%の人が回答しています。