全米各地を記録的な熱波が襲い、危険な暑さへの注意を呼び掛けるヒートアラートが出されています。
全米各地で華氏100度、摂氏38度を超える猛暑が続いています。連日にわたり、1億人以上の住民に対し、ヒートアラートが出されています。20日水曜日、ペンシルベニア州フィラデルフィアでは気温上昇による非常事態宣言を発令しました。19日火曜日、オクラホマ州の気象予報士は「気温が44~46℃に上る地域があります。」と放送で注意をよびかけました。夜間でも30℃程度にまでしか気温が下がらない地域もあり、熱が蓄積する危険な状態です。テキサス州では山火事が広がる原因にもなっています。
テキサス州北部の救急隊には、熱中症など暑さに関わる通報が去年の同じ時期と比べ、2倍になっているといいます。救急隊員は「患者の平均年齢は45歳です。 若くて、健康でもこの暑さには耐えられません。」と語りました。19日火曜日、テキサス州では電力需要が高まり、使用率が97%に迫りました。また、州の広い範囲で数週間にわたり雨が降っておらず、 節水が呼びかけられています。テキサス州北部水道局は「乾燥と猛暑で需要が高かく システムに負荷がかかっています。」と語りました。
アリゾナ州スコッツデールでは摂氏43度近い暑さとなり、配達に訪れた運送業社の男性が倒れこむ様子が、防犯カメラにとらえられていました。運送業社によるとこの男性は無事だということです。
医師は十分な水分補給を行い、長時間の屋外での活動を避けるよう注意を呼び掛けています。ニューヨーク州ウェストチェスターにあるフェルプス病院の救急外来医師は「熱中症患者の他に暑さで体調が悪化し、心臓発作や脳卒中で運ばれる患者もいます。」と語りました。専門家によると、気候変動の影響で気温が3度~5度上昇する熱波が全米各地を襲っており、今年の夏は記録的な猛暑になる可能性があるということです。
ニューヨーク市でも猛暑の影響が出ています。電力会社、コンエディソンによると、21日木曜日午後の段階で4200世帯が停電しました。その後、一部復旧しましたが、 夜になっても1800世帯近くが依然停電の被害を受けていて、節電が呼びかけられています。