インディアナ州のショッピングモールで男がAR15型のライフル銃を乱射し、5人が死傷する事件が起きました。犯人を射殺したのは、事件現場にたまたま居合わせた拳銃を持った一般市民でした。
17日日曜日、インディアナ州グリーンウッドのショッピングモールで、ジョナサン・サパマン容疑者(20)が銃を乱射しました。捜査当局によるとサパマン容疑者は、午後5時頃、AR15型を含むライフル銃を2丁、拳銃を1丁、また弾丸100発以上を持ってショッピングモールを訪れ、トイレに約1時間こもり、銃撃の準備をしていたということです。グリーンウッド警察署長は「容疑者はトイレを出るとすぐに1人に発砲し、そしてフードコートに向けて発砲を始めました。」と語りました。銃撃により、フードコートで食事をしていた夫婦と 30歳の男性の3人が死亡、2人がけがをしました。
この時、現場に居合わせたエライジャ・ディッケンさん(22)が合法的に所持していた拳銃で容疑者を射殺したということです。防犯カメラの映像から、容疑者は 銃撃を始めてたった15秒でディッケンさんに射殺されたことが明らかになっています。夕食どきのフードコートは多くの人で賑わっていて、ディッケンさんのとっさの行動で被害は最小限に食い止められたとされています。グリーンウッド警察署長は「ディッケンさんは周囲にいた人に逃げるよう指示しながら、容疑者に近づきました。」と語りました。
ショッピングモールのトイレから容疑者の携帯が見つかり、その後の家宅捜査では、高温でついた状態のオーブンの中に、ノートパソコンとブタンガスのカートリッジが入っていたということです。動機は明らかになっていません。グリーンウッド市のマーク・マイヤーズ市長は会見で「残念ながら私もこのような事件について話す立場になってしまった。卑劣な殺人に心が痛む。」と語りました。
とっさの判断で犯人を射殺したディッケンさんは、多くの人の命を救ったヒーローとしてたたえられています。銃撃事件などの調査を行なっている機関によると、一般市民が銃撃事件の犯人を射殺して事件が収束するケースは非常に稀だということです。また、ニューヨークタイムズ紙によると、現場で混乱をもたらす危険性があり、2021年にコロラドで起きた銃撃事件では、犯人を射殺した一般市民が、駆けつけた警察官に犯人と間違われて射殺される事故も起きています。