気候変動と深刻な干ばつの影響で、国内最大の貯水池の水位が大幅に減少しています。

ラスベガス近郊、ネバダ州とアリゾナ州の州境に位置する国内最大の貯水池、レイク・ミードの水位が観測史上最低を記録し、満水時の27％となりました。現状を取材したABCニュース気象予報士は「2020年はここでスキューバダイビングができ、私の頭上約12mまで水がありました。 」と語りました。25日月曜日、記録的な水位の低下で湖の干上がった場所から遺体が発見されました。5月にも2人の遺体が見つかっています。

NASA航空宇宙局が公開した衛星写真を見ると、2000年から2022年で湖の水位が大幅に減少しています。レイク・ミードは7州にわたり水を供給しており、全米で消費されるおよそ4分の１の果物や野菜を生産しているカリフォルニア州やアリゾナ州の農家にさらなる節水が必要になると見られています。ABCニュース気象予報士は「過去1200年で最も深刻な干ばつの可能性があり、当局は緊急の節水計画を立てるよう各州に要請しています。」 と語りました。

一方、ユタ州では国内最大の塩水湖、グレートソルトレイクが干ばつにより3分の2が干上がっている状態です。 湖が干上がり底が露出すると、有害物質を含んだ土の粒子が強風で舞い上がり、州で最も人口の多い都市であるソルトレイクシティーの住民に影響を及ぼす可能性があります。ユタ州気候学者は「様々な有害物質がありますが、特にヒ素が危険です。」と語りました。

また、グレートソルトレイクは西半球の重要な渡り鳥の休息地で、毎年1000万羽が餌を求めてやってきますが、湖の水が少なるにつれて塩分濃度が高くなり、渡り鳥の餌となる生物が生息できなくなる可能性があります。